研究実績の概要 |
小学4年生でタレント発掘事業に参加した男子の中で、サッカーと水泳に日頃から取り組んでいる子どもを対象に、週当たりの練習回数と各運動能力の関係を調査した。サッカーに取り組んでいる子どもは、220名、水泳に取り組んでいる子どもは、256名であった。取り組んでいる種目および練習回数の違いで、身長、体重には有意な差はなかった。サッカー、水泳に拘わらず、週当たりの練習回数が多い子どもほど、20 mシャトルランで評価された持久力が、有意に高いことが明らかとなった(p < 0.05, 0.01)。また、30 m走で評価されたスピードに関しては、サッカーに取り組んでいる子どものみ練習回数と僅かな関係が見られた(p < 0.05)。立ち幅跳びで評価されたパワーや反復横跳びで評価された敏捷性には、練習回数との関係は見られなかった。先行研究では、PHV(Peak Height Velocity)前の年齢では、それより後の年齢より持久的トレーニングに対する反応が低いという報告があるが、本研究では、取り組んでいるスポーツ種目に拘わらず、PHV前の年齢でも練習回数を多くすることで持久力が高まることが明らかとなった。 サッカー、水泳に拘わらず、持久力が要求されるスポーツ種目は多い。従って、この時期の子どものタレント性を評価する際には、タレント発掘事業として運動能力を評価する場合にも試合成績やスポーツパフォーマンスで評価する場合にも持久力は注意してみておくべき点だと考えられた。
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