研究課題/領域番号 |
26350788
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
杉山 卓也 上智大学, 文学部, 講師 (90636359)
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研究分担者 |
北村 勝朗 東北大学, 教育情報学研究部, 教授 (50195286)
磯貝 浩久 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (70223055)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スポーツタレント発掘 / エリートプログラム / 種目転向 / 心理的葛藤 / 適材適所 |
研究実績の概要 |
はじめに、国が関与しているスポーツタレント発掘事業を統括している日本スポーツ振興センター(以降JSC)と話し合いの場を持った。当方の研究主旨を理解して頂き、研究への協力を了承して頂いた。その話し合いの中で、心理的な側面からのタレント発掘事業への協力と、事業関係者の情熱を肌で感じてほしいとの要請があった。JSC経由で連絡を取り、事業関係者・競技団体関係者が集まる選考会等の日程に当地へ赴いた。8月に赴いた東京は、7つの競技に特化、全競技団体にメリット、参加人数が人口比では少なめ、11月に赴いた福岡は、幅広いスポーツをカバー、選考に落ちた子供たちへの対処としてセカンドグループへの情報提供、メリットがない参加競技団体の存在、同じく11月に赴いた長野は、冬季競技のみ4団体が参加、指導者の高い実績、他種目からの転向は少なめ、2月に赴いた山形は、市町村が協力的、プログラムが合宿形式、選手選考種目がトップダウンで決定などが特徴として挙げられた。 また、上記の地域への調査と並行して、JSCが関与していなかったり、タレント発掘をしていない地域への調査も必要であると感じ、2つの地域へ調査に赴き、さらにもう1つの地域には文書にて回答を得た。タレント発掘事業をできない、必要がないとの回答もあったが、競技別・年代別のプログラム、体力測定値などの情報があると動きやすいし、協力もしやすいとのことであった。 タレント発掘事業を行っていない地域も含め、様々なケースを確認でき、ゴールデンエイジと呼ばれる年代の子どもたちに発育・発達段階を踏まえた最高の育成プログラムを実施すること、また、少子化の問題と合わせて、限られた人材を適材適所に配することの重要性も確認できた。最後に、事業関係者へのインタビューから種目転向を行った子供の中に、前種目との葛藤に悩んでいた事実も既に出てきており、本調査を行う意義が確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目には日本各地で行われているエリートプログラムの現状を丹念に調査・観察することで、エリートプログラムに関する見識を深めることが目的であった。当初から予定していた福岡県、山形県、東京都に加え、長野県の事業も調査・観察することができた。また、エリートプログラムが行われていない3つの地域にも調査・観察することができ、事前調査の面においては予想以上に進行できたと感じている。 音声記録等の整理は概ね終わっているが、書籍等関連資料の整理は完全には進んでいない。更に、調査した結果をもとに得た知見・疑問等の話し合い、インタビューガイドラインの作成、インタビューの対象となるアスリートの選定を行う予定であったが、研究代表者である私の所属が変わることもあって、最後に共同研究者とのミーティングの場が持てなかった。
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今後の研究の推進方策 |
先述したミーティングをできれば4月中、遅くとも5月中に持ち、調査した結果をもとに得た知見・疑問等の話し合い、インタビューガイドラインの作成、インタビューの対象となるアスリートの選定を行う。その後、大学の倫理委員会にチェックいただき、その上で、選定したアスリートや関係者とコンタクトを取り、インタビュー時期を決定する。本調査インタビューとして、あらかじめ作成したガイドラインを基に、選定した複数のアスリートへの聞き取り調査を申請者が行う予定である。最後に、現地に赴き、まとめたデータを事業関係者にフィードバックし、話し合いの中で、プログラムの改善案などを提示する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1月に予定されていた山形への調査が先方の都合で2月にずれ込み、また、研究代表者の私自身が所属の変更のため忙しく、日程が調整できず、共同研究者とのミーティングが当年度中に行えなかったことが大きな理由として挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度早々の5月2・3日にミーティングの場を持つ予定である。また、書籍・整理文具等を購入予定である。
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