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2017 年度 実施状況報告書

ジュニア期からユース期にかけてのスポーツ選手の体格・運動能力に関する長期縦断研究

研究課題

研究課題/領域番号 26350790
研究機関専修大学

研究代表者

渡辺 英次  専修大学, 商学部, 教授 (10348336)

研究分担者 三島 隆章  大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (00461707)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード発育発達 / タレント発掘 / 運動能力
研究実績の概要

本研究は,ジュニア期からユース期にわたる選手を有するスポーツクラブに所属する選手を対象として体格,運動能力測定を継続して行う.日本人に適した生物学的成熟度の推定式作成のための基礎データを収集することで発育・発達のパターンを明らかにし,作成した推定式から得られる生物学的成熟度を基に,運動能力の発達過程をより詳細に検討する.各選手,所属クラブの特徴を見出し, 他競技多種目のデータから競技種目の特徴的な体格,運動能力の指標を明らかにするとともに,スポーツ非実施者と比較しスポーツ実施の効果,運動習慣獲得の必要性について各世代ごとに検証することを目的としている.平成29年度は17種目(バドミントン,レスリング,アイスホッケー,バレーボール,バスケットボール,サッカー,野球,空手,水泳,陸上,ラグビー,剣道,スキー,卓球,テニス,運動教室,一般),93クラブ,2135名の測定を実施し,基礎データに追加することができた.基礎データは平成20年8月開始より延べ13935名となった.
測定は各クラブの練習会場で行うことで選手指導者らの負担を少なくし,継続した測定が可能となっている.また,継続して測定 することでその数値の意味を知る機会を増やし,測定の意義を理解し数値を読み取ることのできるリテラシーの高い選手を数多く育成するとともに,コンディションの評価と改善,日々の活動の成果を定期的に確認できる選手が育つことも期待される.
得られた測定結果より,平成29年度は国際学会1題,国内学会2題,論文2題の成果発表を行った.
今後も測定を継続し定期的に結果を発表していく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度も継続して多くのクラブにご協力いただくことができた.学校行事や遠征,試合,ケガ等のタイミングで参加できなかった選手もいるが,指導者と密に連絡を取りながらほぼ継続して測定を行うことができ,数多くの縦断的なデータを得ることができた.中高一貫校の測定についても継続して測定を行うことができ,対象校は小学校時代に競技成績の高い選手が数多く入学しており,12歳から18歳の生徒を有する中高一貫校での測定は学齢期での転出,転入などの移動が少ないため「長期縦断研究」に係る多くのデータ取得を可能としている.
また,28年度より日本バドミントン協会ジュニアナショナルチーム選考合宿にて測定を行い,今年度も継続して測定することができた.対象となった選手たちは世代のトップレベルの選手である.幼少の頃から継続してトレーニングを積んだ選手たちのデータは世代の目標値としても大きな意味を持ち,将来のナショナルチーム,トップアスリートになる選手も数多く有しており,今後も継続した測定を行う予定である.
フィードバックについて,今まで通り7~10日程度で手元に届くよう返却することができた.一部で氏名の引継ぎやデータの不備なども見つかり,細かなメンテナンスを行う必要がある.
成果発表については例年通り縦断的な運動能力の特徴を分析したデータ発表と,女性アスリートのデータとアスリート教育,コンディショニングについての発表を今年度も行えたことから概ね順調に進展したと考える.

今後の研究の推進方策

平成29年度の実施実績に従って原則として同じクラブの測定を同じ時期に実施する.主たる目的は縦断的なデータの取得であり,ターゲットとなる選手(各世代トップ選手,ナショナルチーム選手・候補選手)をピックアップし継続してフォローできるように若干の日程調整を行いながら,多くのアスリートが参加し結果が得られるように指導者と密に連絡を取りながら引き続き遂行する.
得られたデータから競技種目別の運動能力を比較し,クラブ毎の特徴,競技の特徴,競技経験年数から見た特徴を調査する.合わせて日本人を対象とした生物学的成熟度の推定式を作成するため,年間最高身長増加年齢を過ぎていると思われる男女スポーツ選手を対象に測定時の身長から年間最高身長増加年齢を推定する.この結果を用いmirwald et al.の方法に従って日本人を対象とした生物学的成熟度の推定式 の算出を試みる.本研究を引き続き行い,継続的なデータを数多く得ることにより縦断的データにウェーブレット補間法及び相互相関係数を適用することで,加齢変化を伴う類似性についてさらに詳細に検討できるものと考える.
本研究で得られたデータを基礎データとし測定参加チームのフォローをしっかりと行うとともに,半年に1回の測定時に指導者と フィードバック用紙の活用方法や練習メニューについて情報交換を行い,他競技の測定結果やトレーニングの提案など引き続き現場の指導者に求められ,活用いただけるよう今後も改良を加える予定である.

次年度使用額が生じた理由

(理由) 測定・分析用PCを順次入れ替える予定であったが,他予算で購入した機器を使用することができたため購入を見送り,その配分を新規測定クラブや中高一貫校等の測定旅費やその調整に当てたためその差額として繰越金が発生した.
(使用計画)
平成30年度の測定計画から,旅費については29年度同様の額に収まることが予想される.繰り越した研究費は測定会場への旅費,機材配送,記録用紙,フィードバック用紙の発送のための通信運搬費,養生テープ等消耗品の購入に充てる予定である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 小学生期レスリング選手における体格及び体力・運動能力の横断的検討 小学生期レスリング選手の体力2018

    • 著者名/発表者名
      木村元彦,渡辺英次,佐藤満,久木留毅,三島隆章,相澤勝治
    • 雑誌名

      トレーニング科学

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] スポーツ選手の体格・運動能力とコンディショニングサポートに関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      渡辺英次
    • 雑誌名

      専修大学スポーツ研究所報2017

      巻: - ページ: 50

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 身長発育とスピード、アジリティ、瞬発力および敏捷性の発達との関係-幼児期から青年期男子の解析-2017

    • 著者名/発表者名
      三島隆章,渡辺英次,関一誠
    • 雑誌名

      トレーニング指導

      巻: 第2巻第1号 ページ: 4-10

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Study on conditioning support to female collegiate badminton athlete2017

    • 著者名/発表者名
      E.Watanabe, K.Aizawa, T.Mishima, T.Sato, K.Seki
    • 学会等名
      2017 FISU WORLD CONFERENCE on Development through Sport
    • 国際学会
  • [学会発表] 男子ジュニアスポーツ選手におけるアジリティの発達に関与する因子について2017

    • 著者名/発表者名
      三島隆章,渡辺英次
    • 学会等名
      第6回日本トレーニング指導学会
  • [学会発表] セレッソガールズ所属選手のコンディショニング評価及び体格・運動能力測定の実施報告2017

    • 著者名/発表者名
      渡辺英次,三島隆章,相澤勝治,藤野英明
    • 学会等名
      第6回日本トレーニング指導学会

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公開日: 2018-12-17  

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