本研究は、複数の競技種目のスポーツ選手を対象として、方向転換能力の競技特性と体力トレーニングに伴う変化について明らかにすることを目的とするものである。平成28年度は、前年度に引き続き方向転換を伴う移動能力、直線移動能力及び関連するその他の体力・形態測定を実施し、データの蓄積と分析を行った。具体的な測定項目は、前方走による方向転換を伴うプロアジリティテスト、前方走と後方走による方向転換を伴うプロアジリティテスト、側方へのサイドステップ動作による方向転換を伴うアジリティテスト、前方・後方・側方への10m及び20mの直線走、最大挙上重量(スクワット、パワークリーン)、垂直跳び、リバウンドジャンプ能力に関するテスト(RJ-index及び接地時間)、体重、体脂肪率、周径(大腿囲)であった。また、体力トレーニングの実施に伴う方向転換能力及びその他の測定値の変化を調査するため、身体各部の筋力強化を目的とした筋力トレーニングと、方向転換能力の向上を目的としたトレーニングをそれぞれ週2~3回の頻度で継続させた。 研究期間最終年度となる平成28年度には、男子バレーボール選手を対象とした方向転換を伴う移動能力の特性に関する研究について学会発表を行ったほか、同じく男子バレーボール選手を対象に12か月間にわたる練習及び体力トレーニングに伴う直線移動能力と方向転換移動能力の変化の特性に関する縦断的研究の成果を原著論文として発表した。
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