本研究の目的は、東日本大震災で被災した地域スポーツ界が復興していくプロセスにおける促進要因と阻害要因について社会学的視座から解明することであった。調査対象は、津波で甚大な被害を受けた宮城県七ヶ浜町の某総合型地域スポーツクラブと、単一種目型の子どもスポーツクラブ(スポーツ少年団)及び成人スポーツクラブ2つずつ、それに各クラブのメンバーであった。促進要因として見出されたのは、子どもスポーツクラブでは指導者(成人)の子ども愛、地域愛、クラブ愛等、成人スポーツクラブではメンバーのスポーツ欲求等であった。阻害要因としては、各クラブにとって重要な活動場所の復旧の遅れが見出された。
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