研究課題/領域番号 |
26350798
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
大川 裕行 西九州大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10351199)
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研究分担者 |
大古 拓史 星城大学, 公私立大学の部局等, 助手 (60715126)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 障がい者スポーツ / 頚髄損傷者 / 車いすマラソン |
研究実績の概要 |
平成26年度に第34回大分国際車いすマラソン大会においてレース中の身体活動量(加速度・心拍数)を測定した7名のうち,同意の得られた6名の被験者に対して平成27年度に3日間の日常生活活動量および栄養摂取調査(カロリー,蛋白質,脂質,ビタミンC,鉄)を実施した. また,データの追加を目的に第35回大分国際車いすマラソン大会で4名の被験者の測定を計画し,3名の被験者に対してレース中の身体活動量の測定を実施した.さらに,3名の被験者のうち,同意の得られた2名に対して日常生活活動量および栄養摂取調査を実施した. 平成26年度,27年度の調査を通じて得られた被験者8名(T51/T52:2名/6名,年齢:36.8±7歳,身長:171.4±5.8cm,BMI:19.4±3.8)の結果をまとめ,第25回日本障害者スポーツ学会で以下の内容を報告した. 被験者8名のうち,5名は完走したが3名はリタイアした.加速度から求めたレース中の消費カロリーは,平均176kcal(2.3METs)であった.レース中の活動量は日常生活活動よりも有意に高値を示した(p<0.01).また,日常生活でも運動日(41.7±29.0 mG/counts)は非運動日(13.6±6.5 mG/counts)に比較して有意に高い加速度(活動量)を示した(p<0.01).栄養摂取調査では,各被験者ともに必要エネルギー量は充足しているものの(96.9%),脂質過多(129.0%)を認め,タンパク質(74.7%),ビタミンC(85.1%),鉄(86.9%)は不足傾向を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画申請時に平成27年度の調査項目として計画していた車いすラグビー選手を対象とした調査は実施できていない.このことについては,平成26年度,27年度に実施した車いすマラソンランナーにおける調査対象の居住地が西日本各地に分散しており日常生活での活動量の調査に手間を要したこと,追加の調査として実施した栄養摂取量調査を優先したためである. しかし,平成26年度,27年度に車いすマラソンランナーにおける被験者10名の測定が完了しており,追加の調査として設定した日常生活での栄養摂取調査も8名に対して実施できている.さらに,被験者8名を対象に結果を取り纏め中間報告も実施できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は平成27年度に実施できなかった車いすラグビー選手を対象にスポーツ活動中の活動量調査および日常生活における活動量の調査,栄養摂取量調査を実施する.被験者を同一チームの頚髄損傷者とすることで被験者の居住地も限定され十分に調査実施可能と考えている. 上記調査は12月までに完了し,平成26年度,27年度に行った調査結果と併せて今年度中に全調査結果の取り纏めを行う.さらに,第26回日本障害者スポーツ学会で報告する.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は当初計画していた車いすラグビー選手を対象とした調査を実施できていない.そのため,平成28年度は平成27年度に実施できなかった車いすラグビー選手を対象にスポーツ活動中の活動量調査および日常生活における活動量の調査,栄養摂取量調査を実施する.被験者を同一チームの頚髄損傷者とすることで被験者の居住地も限定され十分に調査実施可能と考えている.しかし,同一時期に同一場所で複数名の被験者を対象に調査を実施するために研究補助員の旅費,人件費等を十分に確保しておく必要がある.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度実施予定の車いすラグビー選手若干名の活動量調査に伴う被験者料(謝金)および消耗品費.調査に伴う共同研究者,研究協力者の旅費,謝金.学会における成果報告のための旅費等に使用する.
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