頚髄損傷者の生活習慣病予防のためのスポーツの効果を検証する目的で,車いすマラソンおよびウイルチェアラグビー中の活動量および日常生活での活動量と栄養摂取状況を調査し,全ての被験者でスポーツ活動中には日常生活よりも有意に高い活動が行われていることを確認した.栄養摂取量の調査から,各被験者ともに必要エネルギー量は充足されているものの,脂肪過多,蛋白質,ビタミンC,鉄は不足傾向にあることを確認した.エネルギーの出納という観点から各被験者ともに均衡がとれており,重度の身体機能障害によって日常生活での活動量の低下があっても,スポーツに参加することで生活習慣病のリスクを低下できる可能性を確認した.
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