研究課題/領域番号 |
26350801
|
研究機関 | びわこ成蹊スポーツ大学 |
研究代表者 |
佐藤 馨 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 准教授 (50326592)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 女性 / スポーツ指導者 / 心理的要因 / 障壁 |
研究実績の概要 |
本研究は、女性スポーツ指導者(以下、女性指導者)に内在する「内なる壁」を明らかにするため、女性が指導者として活動する際に障壁となる心理的要因の抽出を試みる。さらにそれら要因を用いて、特に女性指導者に高く立ち塞がる心理的要因が何か探索することを目的としている。 〈平成26年度〉 (1)調査協力を依頼する団体への調査説明および打ち合わせ:本調査における調査対象者(女性指導者200名)の確保や送付先の住所一覧等の入手を考慮し、調査を依頼する団体としてJOC(日本オリンピック委員会)およびJPC(日本パラリンピック委員会)を対象とした。これら団体を対象とした理由は、①国内における競技団体の統括組織であること、②研究代表者は、順天堂大学「女性アスリート戦略的強化支援方策の調査研究」事業への参与により、JOCやJPCとの調査実績および関係者と面識があること、④両関係者とも女性指導者育成の重要性を認識していることがあげられる。研究代表者は、調査協力を依頼する団体(JOC,JPC)に対して調査趣旨説明を行なった。この趣旨説明においては、本調査が女性指導者を志す全ての者にとって有益であり、将来につながる重要な知見を得られる研究であることを充分理解してもらえるよう説明を行なった。 (2)調査票の作成:調査票の作成に際し、事前に現役で指導を行なっている女性指導者にインタビューを行なった。インタビューで抽出された要因を調査票に反映させるため、「女性指導者育成のための実態調査」として、①現在の指導状況、②過去の指導実績歴、③競技歴、④指導者としての自己評価、⑤自尊感情、⑥自己決断力、⑦フェイスシート(年齢、結婚の有無、家族構成、子どもの有無等)を軸に調査票を作成した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)調査協力を依頼する団体への調査説明および依頼:JOCおよびJPCの女性指導者育成に関わる関係者に本調査の協力依頼を行なった。しかしながら、JOCでは2016年(平成27年)夏季ロオリンピックを控え、関連組織・団体から調査協力依頼が殺到し、当該調査の実施が現時点で困難な状況であることが判明した。また、JPCでは調査実施に対して快諾を得たものの、2016年(平成27年)年夏季パラリンピック大会前年の平成27年度中に女性指導者の名簿一覧等を入手することが難しいとの回答を得た。以上ことを踏まえ、JOCの調査に関しては、特定のスポーツ団体へのアプローチを検討している最中であること、JPCについては、平成28年度の調査実施を目指して、調査計画の再調整を行なっている。 (2)調査票の作成:「女性指導者育成のための実態調査」として、①現在の指導状況、②過去の指導実績歴、③競技歴、④指導者としての自己評価、⑤自尊感情、⑥自己決断力、⑦フェイスシート(年齢、結婚の有無、家族構成、子どもの有無等)を軸に調査票を作成した。
|
今後の研究の推進方策 |
〈平成27年度〉 (1)調査票の配布および回収:調査対象者:JOCの女性指導者育成に関わる関係者を介して、スポーツ団体に登録し、実際にスポーツ指導を行なっている女性100人程度を抽出。調査方法:郵送法によって調査票の配布および回収を行なう。調査期間:配布から回収期限までを約2ヶ月とする。調査時期:現役の女性指導者を対象とするため、大会等が集中する時期を除いた期間。100人分の調査票の配布に際し、研究代表者を中心に調査票、返信用封筒等の袋詰め作業等を行なう。 (2)調査データの入力:調査票回収後、研究代表者の管理のもとデータ入力作業補助によってデータ入力を実施する。入力に際しては、情報漏えいに細心の注意を払うため、①データ入力は決められた場所で作業を行なう。②データは決まった記録装置(フラッシュメモリ)のみに保存する。データ管理は研究代表者が行なう。調査実施において調査対象者抽出の際に入手した個人情報(住所、氏名、年齢等)は、調査票回収後、直ちにシュレッダーによって廃棄処分する。また、データはすべて数字で入力し、個人が特定できない配慮をする。データ入力後の調査票は、速やかにシュレッダー処理を行なう。調査データの入力には、研究代表者の他に複数の入力補助者を使い作業を行なう。 (3)調査データの分析および検討:収集したデータの分析(統計的処理等)は、基本的に研究代表者が一人で行なう。 (4)研究結果の公表:研究結果を公表するため、国内外の学会において研究発表を行ない、研究結果の提供および情報交換を図る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に調査実施に必要なPCおよびデータ解析ソフトの購入を予定していた。しかしながら、調査協力依頼を行なったJOCおよびJPCの都合により、平成27年度中に調査実施が困難な状況にある。また、状況によっては平成28年度まで継続して調査を実施する必要も出てきた。そのため、おもにデータ収集および解析に使用するPCや解析ソフトの購入も平成26年度の購入を見送り、改めて平成27年度にそれらの購入をする結論に至った。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度にJOC関係者を介して調査協力を得られる団体を再度、探索し、調査実施の実現を目指す。さらに平成28年度に実施するJPC協力による調査も視野に入れ、調査実施に必要なPCおよびデータ解析ソフトを購入する計画である。
|