研究課題/領域番号 |
26350804
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
後藤 平太 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (10709603)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タレント発掘 / サッカー / 子供 / 発育・発達 / 試合分析 / 体力測定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、プロサッカー選手や日本代表選手を養成する過程において、各年代で行われる選手選考のための客観的な指標を、体格、体力、技術の複数の側面から検討し、その有効性を検証することである。この目的を達成するために、本研究では、プロサッカークラブの中学1年生チーム(13歳以下、U13)から高校3年生チーム(18歳以下、U18)までの合計6チームの身体測定、体力測定、発育期の推定と試合分析(各チーム最低3試合)を行うという方法を採ることにした。身体測定では、身長、体重と座高を測定し、体力測定では30メートル走、アジリティ走と持久走を行う。試合分析では、体力面と技術面の分析を行う。体力面の分析には、GPSport社のグローバル・ポジショニング・システムを用いて、フィールダー全員の試合中の移動距離と速度を測定する。技術面の分析は、ビデオカメラにより録画した試合の映像を用いて行う。
平成26年度には、U16~U18までの全3チームの選手たちの体力測定を行った。また、U17とU18チームを対象にGPSによる試合分析と録画した試合映像を基に技術面の分析を3試合分行った。今後は、これらの身体測定や体力測定、試合分析を定期的に全チームの選手に行うことで、データを蓄積していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択された研究計画書では、九州のプロサッカークラブAの下部組織の選手たちを対象に研究を進めていく予定であった。しかし、プロサッカークラブAの下部組織は県リーグ2部所属であり、同県のもう一つのプロサッカークラブBの下部組織は、九州リーグ1部に所属している上に、日本代表選手も下部組織に3名いることが科研費採択後にわかった。
プロサッカークラブA所属の選手たちよりもプロサッカークラブB所属の選手たちの方がサッカーのレベルが高いこと、そして、本研究の目的はプロサッカー選手や日本代表選手を養成する過程に関する研究であること、を考慮すると、競技レベルの高いプロサッカークラブBの下部組織選手たちを研究対象とするよう変更せざるを得なかった。そこで、平成26年度の初夏から秋にかけてプロサッカークラブBの下部組織のスタッフと面会を重ね、プロサッカークラブBの下部組織所属選手を対象に本研究を行う交渉を進めた。しかし、シーズンの終盤である秋に、プロサッカークラブBの経営者の交代がきまり、新たな首脳陣が入ってくることになったため、本研究の開始は新しい経営陣との話し合いまで保留することになった。
最終的にはプロサッカークラブBの下部組織選手を対象として研究を開始できたが、データ収集の開始は計画より数か月遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、定期的に、身体測定や体力測定、試合分析を全チームの選手に行うことで、データを蓄積し、以下の検討を行っていく。
1.U13からU18までの各チームについて、体格、体力、試合中の技術的体力的パフォーマンスの各項目の平均値を計算し、横断的な成長パターンを検証する。2.選手毎に、体格、体力、試合中のパフォーマンスに含まれる各項目の変化を縦断的に分析し、選手の個々の成長パターンを検証する。3.成功を収めた選手(プロ契約・クラブ残留)と収められなかった選手のシーズン中の体格、体力や試合中のパフォーマンスの各項目を5シーズン前まで遡って比較し、相違する項目を抽出して検討する。4.各チーム毎に、発育の早い選手と遅い選手の体格、体力、試合中のパフォーマンスの各項目を比較し、発育期が影響する項目の検討を行う。5.上の4.の検討を受けて、各チーム毎に、発育の早い選手と遅い選手の区分間で、成功を収めた選手(プロ契約・クラブ残留)と収められなかった選手のシーズン中の体格、体力や試合中のパフォーマンスの各項目を3シーズン前まで遡って比較し、相違する項目の抽出と検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ収集開始の時期が遅れたことによってデータ収集を行うための現場に行く回数が減り、旅費の使用額が予定より大幅に下回ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集を行うための現場への移動費や学会参加のための旅費や宿泊費に予算を使用する予定である。
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