本研究では、2012年の暴力事件を契機に、日米のバスケットボール指導者の指導観と暴力に関する態度の違いを明らかにすることを目的にした。日本の高校バスケットボール指導者を対象とした質問紙調査の結果によると、2012年度以前に暴力行為を行っていた指導者の比率は、22.1%であった一方で、2013年以降では5.5%に減少した。一方で暴力行為は少なくなった一方で、暴言や罰走などは依然として一部の高校で行われていることが示唆された。アメリカ人コーチへのインタビュー調査の結果、アメリカ人の指導者は選手の欠点や失敗を叱責するよりも、選手の積極的な姿勢を肯定的に褒める指導方法に変わってきたことがわかった。
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