研究課題/領域番号 |
26350810
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80261379)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 反復低酸素暴露 / 血管内皮細胞増殖因子 / トレーニング / 毛細血管 / PGC-1a |
研究実績の概要 |
【目的】平成25年度は、短時間の反復低酸素暴露が、骨格筋における遺伝子発現に及ぼす影響を観察した。 【方法】マウスに以下の3条件の負荷を与え、その直後、3、6、10、24時間後に腓腹筋、心筋、腎臓を摘出した。条件1:[12%O2・60 分間]を1回;条件2:[12%O2・15 分間+常酸素・10 分間]を4回;条件3:トレッドミル走行運動 (20m/min, 60分間, 10%勾配)。組織サンプルからRNAを抽出し、RT-PCR法により、mRNAおよびmicroRNAの分析を行った。 【結果・考察】腓腹筋において、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)のmRNAは、条件3で直後に、[条件2]で6時間後に有意な増加が観察されたが、[条件1]では有意な差はみられなかった。PGC-1alphaのmRNAは、 条件3で3時間後に、[条件2]で6時間後に有意な増加が観察されたが、[条件1]では有意な差はみられなかった。miR-16, -20bは、[条件2]だけで有意な低下が観察された。左心室において、VEGFmRNAは全ての条件において、直後に有意な増加が観察された。腎臓におけるerythropoietin (EPO) mRNAも、全ての条件において、直後に有意な増加が観察された。これらのことから、短時間の反復低酸素暴露は、骨格筋における毛細血管新生や脂質代謝を促進する可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに実験及び分析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
短時間の反復低酸素暴露と運動トレーニングを組み合わせた際の、各種遺伝子発現、タンパク質発現およびマイクロRNA発現の分析を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末の時点において、ある分析結果が出ておらず、次の分析方針が定まらない状況であった。
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次年度使用額の使用計画 |
現時点(2015年4月)において、次の分析方針が明確になったため、「次年度使用額」の予算を使用し、タンパク質分析のための抗体を購入する計画である。
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