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2015 年度 実施状況報告書

短時間の反復低酸素暴露がトレーニングによる全身持久力向上に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 26350810
研究機関北海道教育大学

研究代表者

鈴木 淳一  北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80261379)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード反復低酸素暴露 / トレーニング / 脂肪酸代謝 / 毛細血管
研究実績の概要

【目的】平成27年度は、短時間の反復低酸素暴露が、トレーニングによる全身持久力向上に及ぼす影響を観察した。

【方法】マウスを安静対照群、低酸素暴露群(12%酸素・1時間)、間欠低酸素暴露群(12%酸素15分×4回、常酸素の休憩10分)、トレーニング群(20m/min、15%勾配、1時間)、低酸素暴露+トレーニング群、間欠低酸素暴露+トレーニング群に分け、4週間実施する。負荷終了時に最大持久的運動能力を測定した。骨格筋(ヒラメ筋、腓腹筋、足底筋)における筋線維組成や毛細血管網の組織化学的分析、代謝酵素活性の測定、mRNAの発現を分析した。

【結果・考察】漸増負荷走による最大運動能力テストでは、間欠低酸素暴露+トレーニング群が最も高い値を示した。腓腹筋の赤筋部位において、ミトコンドリアにおける脂肪酸代謝(β酸化)の酵素である3-ヒドロキシアシル-CoA-デヒドロゲナーゼ活性が、低酸素暴露+トレーニング群よりも間欠低酸素暴露+トレーニング群で有意に高い値を示した。間欠低酸素暴露+トレーニング群において、PGC-1-alphaとPPAR-deltaのmRNA両者が有意に増加していた。毛細血管網は、トレーニングによって顕著に増加したが、低酸素暴露+トレーニング群と間欠低酸素暴露+トレーニング群の間に有意な差はみられなかった。筋線維組成にも有意な差はみられなかった。これらのことから、短時間の反復低酸素暴露は、骨格筋における脂質代謝を改善することで、トレーニングによる持久力向上に付加的な作用を示すことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りに実験及び分析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

短時間の反復低酸素暴露が、幼若期から長期間トレーニングを積んだマウスの全身持久力向上に及ぼす影響について研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

タンパク質の発現を分析するため、抗体(単価\70,000-)の購入を考えていたが、物品請求入力期限の1月末までに、抗体の種類を絞り込むことができず、予算を使用することができなかった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度も27年度と同様に実験動物、試薬、消耗品への支出が大半を占めると予想される。抗体など、単価が比較的高い試薬類を数多く使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Short-duration intermittent hypoxia enhances endurance capacity by improving muscle fatty acid metabolism in mice2016

    • 著者名/発表者名
      Suzuki J
    • 雑誌名

      Physiological Reports

      巻: 4 ページ: -

    • DOI

      10.14814/phy2.12744

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 短時間の反復低酸素暴露がトレーニングによる全身持久力向上に及ぼす影響2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木淳一
    • 学会等名
      第23回 日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      日本体育大学(東京)
    • 年月日
      2015-07-25

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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