脳梗塞を念頭においた脳虚血障害に対し、運動療法により脳血管内皮幹細胞を活性化させ、脳血流量を回復させる基礎的研究を遂行した。マウスで片側内頸動脈閉塞による脳虚血モデルを作製し、トレッドミル運動療法を施行した。脳虚血発症早期の運動療法群では、患側脳の微小血管密度が1週後に1.9倍、2週後に2.7倍に増加した。一方、12ヶ月の慢性脳虚血後の晩期運動療法群では、患側脳の微小血管密度は2週後に2.0倍に増加した。脳虚血障害に対する運動療法による毛細血管新生(脳血流量の改善)に、脳血管内皮幹細胞が関与している可能性がある。
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