「運動は寿命を延ばすのか?」という疑問に対して、未だ明確な回答は得られていない。運動刺激の種類や強度は多種多様であり、こうした刺激に応じて生体は効果の発現あるいは障害の発生など適応を示す。つまり、運動刺激を受容し、その種類や強度を認識し、最適な適応を発現するシステムの存在が示唆されるが、その実体は不明である。本研究では、長寿遺伝子サーチュイン(SIRT)に、運動刺激に対する骨格筋応答におけるSIRTの役割を追究することを目的とした。実験動物ならびに培養骨格筋細胞を対象として検討した結果、運動刺激に対する骨格筋の適応現象にSIRTそのもの自身の関与は低いことが示唆された。
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