研究課題/領域番号 |
26350820
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
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研究分担者 |
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 教授 (70188861)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 筋萎縮 / 横隔膜 / 機械的人工換気 / ラット / 回復メカニズム |
研究実績の概要 |
本研究は,横隔膜の廃用性萎縮からの回復メカニズムを実験的に明らかにし,効果的な回復法の確立を目指すものである.従来のラット横隔膜萎縮モデルは気管切開やカテーテル挿入を伴うため,人工換気後の飼育が困難であり回復期に対する研究には適さない.そのため,横隔膜の廃用性萎縮メカニズムは徐々に明らかになりつつあるものの,その回復過程については不明である.人工換気後も飼育が可能な改良型横隔膜萎縮モデルを完成させることで,回復メカニズムに迫り,回復法の効果を検証することを目指す本研究は,ヒトに対する実用的な応用が期待できる世界的にも新しい取り組みといえる. 本研究は3つのテーマに焦点を絞って研究を進める.初年度は,基礎的研究として【テーマ1】改良型横隔膜萎縮メカニズムの構築に着手した.まずはじめに,従来法からの改良点である気管挿管を気管切開から経口挿管に変更すること,また,血ガス測定を頸部動脈カテーテルから終末期呼気ガス分析に変更することを中心として行った.呼気ガス分析のためのジョイントコネクタの作成に時間を要したものの,プロトタイプはほぼ完成した.また,安定した経口挿管法を探るための注意点もおおよそ把握した.さらに,尾部非観血式血圧計を用いてモニタテストを行うとともに,従来頸部静脈カテーテルを用いていた麻酔を,頸部静脈または尾部静脈留置針に変更すべく検討を行っている.変更したパラメータが,従来のものと同様に12時間の人工換気中の被験動物の状態管理に用いることが可能かどうか,両方のパラメータを同時に測定し比較検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【テーマ1】とした改良型横隔膜萎縮モデルの構築において,安定した経口挿管を用いた人工換気法の確立および非献血血圧測定に時間を要しているが,おおよそ当初の研究計画通り進行しており,今年度半ば頃には【テーマ2】横隔膜萎縮からの回復過程の解析に着手できる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
終末期呼気ガス分析用のジョイントコネクタの作成に多少時間を要したたこと,また,経口挿管による人工換気法の完成度がやや低いため更なる工夫が必要であることから,多少の遅れが生じる可能性がある.おおよそ研究計画通りに進んでいるが,【テーマ1】とした改良型横隔膜萎縮モデルの構築を急ぎ,申請当初の計画に従い【テーマ2】横隔膜萎縮からの回復過程の解析に着手したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
改良型人工換気モデルに使用するコネクタ等の作成に時間を要したため,実験動物の購入や実験に関わる消耗品費および謝金等の使用が予定よりも少なかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画では27年度半ばまで【テーマ1】を継続して行う予定であり,26年度に予定数に達しなかった実験は次年度予定通り行う予定である.27年度予算と合わせ,研究計画通り【テーマ1】として行う実験のために使用する予定である.
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