研究課題/領域番号 |
26350828
|
研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
小西 優 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 教授 (90390301)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 前十字靭帯 |
研究実績の概要 |
接地動作時、膝関節を安定させるためには、接地の瞬間に合わせて膝関節周囲筋が正常に賦活しなければならない。スポーツ活動中には予測外のタイミングでの接地を余儀なくされることも多くあるが、健常者は様々な戦略を用いて筋活動を制御し予測外の接地に適応している。ところが前十字靭帯損傷患者の予測外の接地に関する知見は得られていない。本計画では前十字靭帯再建術を受けずともスポーツ活動に適応できる患者(Copers)が予測外のタイミングで接地した時の下肢筋の収縮様相を観察し、前十字靭帯損の損傷により力学的支持が不十分になっている患者でも膝関節の安定を図ることができるCopersの適応メカニズムの解明を試みている。 今年度は、昨年度、研究協力の依頼を行った国立病院機構甲府病院の整形外科にて手術を行う前の前十字靭帯損傷患者のデータ収集を実際に行うことができた。これまでに、Potential Copersと分類できる8名の前十字損傷患者が本研究に参加した。この8名に加え、本校の学生の中にも、Potential Copersに分類できる患者が3名出ており彼らのデータ収集も行った。さらに、Copersのより詳細な適応メカニズムを明らかにするために、健常者の膝蓋腱に振動刺激を与えた後の予測外の接地動作中の筋の活動様相を観察する実験をニュージーランド工科大学にて行った、今後このデータは患者のものと比較する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度より、データ収集が開始できていることから、順調に被験者数も増えていることからおおむね順調に進展しているといえる。しかしながら、本実験では、倫理委員会による安全上の示唆により、女性被験者を除外していることなどから、年間100例前後のACL損傷患者の手術を行っている病院においても除外せざる得ない被験者も多くあり、予想よりも被験者の集まり具合は、少なく感じる。
|
今後の研究の推進方策 |
本実験では、20名の被験者を集めることを目指している。今のペースで終了することは可能に思われるが、進捗状況によっては、研究協力を依頼できる医療機関を探していくつもりである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
旅費及び人件費・謝金が、実験を行う日程が被験者数が変動したことにより、若干の繰り越しが発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度は、繰り越された旅費及び人件費・謝金を使用し、さらに被験者数の確保とそれに伴う旅費として使用する予定である。
|