研究実績の概要 |
2015年度から継続して東京大学の健康診断を受診する学生を対象にアレルギー疾患に関するアンケート調査を実施してきた。4年間で延べ7,502件の回答を得た(2019年5月10日現在。) この調査では、18~20歳前後の調査対象者に対して、標準的な気管支喘息、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アトピー性皮膚炎のスクリーニングの質問と、食習慣、運動習慣、睡眠状況、現病歴、出身地、住環境、家族構成や小児期を過ごした生育環境、ワクチンの接種状況などの設問を設けている。また、アンケートの回答者が回答年度に受診した健康診断結果とアンケートの回答内容を紐付けることが可能となっており、身体計測の結果や血液検査のデータも含めた解析を進めている。 これにより、アレルギー疾患の発症・増悪因子としてこれまでに報告されているものについて本調査対象における妥当性を検証したり、新規の関連する因子を検出することが可能となった。 当初の計画ではアンケート調査を同一の学生に毎年回答してもらうことを期待していたが、毎年連続して協力してくれる学生は極めて少なく、大学進学にともなう転居の影響など経時的縦断的に検討したかった部分は困難であった。しかし、毎年1500~2000件ぐらいの回答を得ることができ、多数のサンプルを得ることができたことから全回答をプールして一つの集団として解析したり、回答の回収年別に、年ごとの季候や花粉の飛散状況を踏まえた横断的研究としての解析も行っている。 本研究は本学の倫理審査専門委員会の承認をうけて実施してきた。本助成は今年度が最終年度であるがこれまでに蓄積したノウハウを活かして調査を継続するべく、倫理審査専門委員会では研究機関延長の承認を得た。
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