研究課題/領域番号 |
26350833
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島本 英樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (50299575)
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研究分担者 |
柴田 真志 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (00254467)
谷田 恵子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60405371)
藤田 和樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 准教授 (00361080)
守山 敏樹 大阪大学, 保健センター, 教授 (30283815)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠 / 身体活動 / 健康教育 / 大学生 |
研究実績の概要 |
睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下は、現代人が抱える新たな健康問題となっている。新しいメディアの普及やその多様化により、若年層を中心に夜型のライフスタイルが蔓延しており、大学生ではその傾向が顕著である。夜型のライフスタイルは睡眠時間を短縮させ、睡眠の質も低下させる。これらの変化は様々な疾病の誘因にもなっている。 本研究は、大学生が適切な睡眠・覚醒リズムを獲得し、睡眠の質を高める手立てとしての身体活動の種類や強度を検討することを目的として実施している。本年度の目的は昨年度に引き続き、大学生の睡眠・覚醒リズムを、大規模サンプルを対象とした横断的研究において客観的指標を用いて評価することである。高性能加速度センサーを用いて身体活動量を測定し、得られた日常における身体活動データを、睡眠-覚醒リズム研究用プログラムを用いて解析し、総睡眠時間(TST)、睡眠潜時(SL)、入眠度覚醒時間(WASO)、睡眠効率(SE)などの睡眠変数を指標として、睡眠の質と身体活動の関係について検討している。既に、複数の大学の学生を対象に測定を実施し、さらに現在も継続してデータ収集と分析を実施している。 現在までに分析を終えたデータについて検討したところ、睡眠の質・量を示す客観的指標と身体活動レベルの関係、昼間の眠気と身体活動レベルの関係について、有意な相関関係があることを明らかにしている。また、これらの関係には性差がある可能性もあり、身体活動によって睡眠の質・量を高める方策は性別で異なる可能性を示唆している。得られた成果は、別項に記載の通り、次年度、国際学会での発表を行う(発表確定済)。さらに、次年度も引き続き、上述の課題について継続して詳細に検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上の対象者数について測定を終えており、収集したデータの分析を継続して実施している。来年度以降のデータ収集の計画もすでに立てており、収集を終えたデータの一部をまとめ、学会発表も行う(発表確定済)。よって、研究計画は順調に進展しているものと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載のとおり、大学生のライフスタイルと睡眠・覚醒リズムおよび睡眠の質の関係について検証する。本来、睡眠の質は脳波(EEG)検査や終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を実施することによって判定される。しかし、これらの方法を実施するには煩雑で高価な上、対象者の負担も非常に大きく、多数例を検討するには適していない。本研究では被験者数を飛躍的に増加させるために、高性能加速度センサーによって収集した日常身体活動データを近年開発された睡眠-覚醒リズム研究用プログラムを用いて解析する。睡眠-覚醒リズム研究用プログラムによって算出された総睡眠時間(TST)・睡眠潜時(SL)・入眠後覚醒時間(WASO)・中途覚醒回数・睡眠効率(SE)・入眠後の平均覚醒時間・10分以上の覚醒回数などの睡眠変数を指標とし、また、ペリオドグラムによる行動周期・睡眠周期解析結果を用いてライフスタイルとの関連を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に研究費が繰り越されたのは、本研究の測定に用いる消耗品等の購入を延期したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
先に述べたとおり、次年度も継続して測定を計画しており、繰り越された研究費はその遂行のために次年度中に使用する予定である。
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