研究課題/領域番号 |
26350835
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
古林 正和 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (00380874)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 内臓脂肪面積 / メタボリックシンドローム / 青年期成人 |
研究実績の概要 |
腹部内臓脂肪蓄積を要因とするメタボリックシンドローム(Mets)は心血管病の重要なリスクであり、40-74歳の男性の4人に1人がMetsである。Mets発症を予防するには、Metsが急増してくる20-30歳代に、介入の焦点をあて、この時期に、Mets発症リスクの高い群を同定することが必要である。しかしながら、Mets発症に遺伝的因子、環境因子がどのように関わり腹部内臓脂肪面積の変化を来しているか詳細な検討は行われていない。そこで、本研究では、長崎大学在学期間中に内臓脂肪面積の変化を経時的に追跡し、Metsとの関連性を検討する。解析項目は、内臓脂肪面積の変化量とMets構成因子(腹囲、血圧、脂質、血糖)との関連性ならびに、内臓脂肪蓄積の変化を来す背景として、遺伝的因子、環境因子との関連性を検討する。特に「メタボリックシンドローム」予防と改善の観点から若年者の内臓脂肪量の変化に着目し、Mets構成因子とその背景にある遺伝・環境因子を明らかにすることを目的とした。 H26年度とH27年度に各1回、身体測定(身長、体重、血圧、BMI、ウエスト周囲径)、生理検査(デュアルスキャンによる内臓脂肪面積の測定)、生活習慣の調査(喫煙、食習慣、運動習慣の聴取)、採血を行った。解析は、内臓脂肪面積と生活習慣の関連性の検討を行った。内臓脂肪面積は、H26年度;男性42.7±25.7 cm2、女性35.8±14.1 cm2、H27年度;男性42.7±25.7 cm2、女性35.8±14.1 cm2と男女とも、内臓脂肪面積の平均値はMetSの診断基準100cm2と比べると低い値であった。1年間の内臓脂肪面積の変化量の平均は、男性では3.0±16.7 cm2と有意に増加し(P<0.001)、女性は-2.3±13.5 cm2と有意に低下した(P<0.001)。内臓脂肪面積の増加と生活習慣の検討では、喫煙との関連性を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時の計画では、内臓脂肪面積の測定を1,2年生時に一回と3,4年生時に一回の最低二回測定する事を予定していたが、健診対象者の兼ね合いがあり、内臓脂肪測定の対象を3年生時と4年生時の1年間以上の間隔をあけた2回へと変更した。H26年度に第一回目、H27年度に第二回目の身体測定(身長、体重、血圧、BMI、ウエスト周囲径)、生理検査(デュアルスキャンによる内臓脂肪面積の測定)、生活習慣の調査(食習慣、運動週間の聴取)、採血を予定した。予定通り、第一回目の身体測定、生理検査、生活習慣の調査、採血ならびに第二回目の身体測定、生理検査、生活習慣の調査、採血が終了した。 内臓脂肪面積の変化量の検討、内臓脂肪面積と生活習慣の関連性の検討を行った。ただし、H27年度以降の計画として、生化学検査、肥満関連遺伝子多型の解析を予定していたが、生化学検査、肥満関連遺伝子多型の解析が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度以降の計画として、生化学検査、肥満関連遺伝子多型の解析を行った後、第一回目と第二回目に測定した内臓脂肪面積の変化量と遺伝因子、環境因子との関連を解析することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、年度毎に生化学検査を予定していたが、内臓脂肪面積測定の間隔を変更したため、生化学検査は年度毎ではなく、まとめて行う様に変更したためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度以降に、生化学検査、肥満関連遺伝子多型の解析を行う予定である。
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