研究実績の概要 |
本研究は小学5年生を対象に遊びを交えた運動介入を1年間実施し、中学までの発育発達段階において、身体活動や身体機能にどのように影響を及ぼすかを縦断的(5年間)に研究することである。子どもの身体活動の特徴は間欠的かつ歩行以外の高強度な運動が多い。また身体活動が体力のどの要素(有酸素系、神経系、筋系など)に影響を与えるかは、性、年齢によって異なる。このことを踏まえ、3軸加速度計を用いて、歩行と歩行以外の活動を区別して10秒単位で身体活動量を把握し、発育発達段階において身体活動を構成する内容(歩行と歩行以外)が体力のどの要素に影響を与えるかをきめ細かく検証する。小学時の遊びを交えた運動介入効果が明らかになれば、健康教育や健康政策に資すると考える。 今年度は研究対象者設定に際し、福井県内10校(都市部3校、山間部7校)を研究対象校として介入校4校、対照校6校を抽出し、研究対象者を介入群106名、対照群158名、計264名とした。対象者(児童)の保護者に対してインフォームドコンセントを得て、12月にベースライン調査測定として3軸加速度計を用いた身体活動量測定(7日間)および生活・運動習慣等調査(体格:身長・体重・座高, 朝食の有無, 睡眠時間, テレビ視聴時間, 家庭・学校・地域での運動実施状況, 運動意欲など)を行い、体力・運動能力においては6月に実施した全国体力・運動能力測定の8種目データ(握力, 50m走, ボール投げ, 上体起こし, 20mシャトルラン, 反復横とび, 立ち幅とび, 長座体前屈)を用いた。運動介入(10分間の遊びを交えた運動を週2回)は1月から開始し、2月(冬季)に2回目の身体活動量測定を行った。 データについては入力・集計を行った。解析までは至らなかったが、介入開始から3ヵ月が経過し、介入群においてはベースライン時に比べ運動意欲の変化(向上)が伺えた。
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