本研究は、実験協力者に対し、内田クレペリン検査に準ずる30分間の計算負荷を課した。実験1(客観的ストレス応答の測定)では、計算負荷前の1時点及び負荷後の8時点で唾液α-アミラーゼ活性(sAMY)を測定した。実験2(主観的ストレス応答の測定)では、5段階評定法を用いて、計算負荷の前後でストレスの程度を尋ねた。 計算課題を実施した結果、負荷直後においてのみ、負荷前に比べて有意なsAMY値の上昇が観察された。また、5段階評定法を用いて測定されたストレスの程度も、計算負荷の前後で有意に変化した。本研究で用いた計算課題は、主観的及び客観的ストレス応答を有意に増大させる課題であることが示された。
|