研究課題/領域番号 |
26350846
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
萩 裕美子 東海大学, 体育学部, 教授 (20237902)
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研究分担者 |
山本 直史 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40552386)
川西 正志 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (50177713)
山田 稔 玉川大学, 教師教育リサーチセンター, 客員教授 (20750483)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 身体活動量 / 総運動時間 / 運動部活動 / 運動非実施の要因 / 運動の得意不得意 / 運動嫌い / 身体構成 / 体力 |
研究実績の概要 |
本研究は、身体活動を行う機会を持たない子供(小中学生)および成人(女子大学生、中高年)(以下、身体活動量低値者)を対象にして、身体活動促進のための支援プログラムを考案することであった。 そこで本年は中学生を対象に得られたデータと、女子大学生を対象に得られたデータから、中学生については日本体育学会で、「中学生における体育授業以外の運動・スポーツ実施時間に関連する要因の検討」を発表した。ここで得られた結果及び考察は、総運動時間は男子で1年生に比べ3年生が低かったが、女子は学年による違いは見られなかった。総運動時間と運動部活動の有無との関連では、女子は平日、休日いずれも関連が認められ、男子では平日には認められたものの、休日では認められなかった。男子は学外スポーツクラブに参加しているものが24%おり、その影響があるものと推察された。中学生女子にとって、運動部活動に入っているか否かが、総運動時間に大きな影響を及ぼしていた。したがって、中学校における運動部活動は、総運動時間を確保するためには重要な役割を果たし、女性生徒が参加したくなるような運動部活動の必要性が示唆された。 女子大学生のデータについては体力医学会で、「若年成人女性の体力および身体構成と運動への認識との関連」を発表した。ここで得られた結果及び結論は、運動が好きから嫌いの4段階の尺度によるグループ間では、体力測定項目のすべてにおいて平均値に違いが見られ、運動が好きな者ほど体力は高いという正の相関関係が,また運動の得意不得意においても同様の傾向が認められた。断面調査のため原因や結果を特定できないが、運動の好き嫌いや得意不得意は、本人の体力に直接関連していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画ではすでに介入の試みを行っている予定であるが、対象者の選定に時間がかかっており、その点で少し遅れている。しかしながらこれまでに得られた横断的調査結果より、身体活動低値者の様々な理由が浮かび上がってきており、本研究の目的を達成するためには、限定されたグループを2年間を追うプログラム検証よりも、より広い対象に短期的に試みることで、その有用性を検討できると思われた。 その点で多少の計画の変更はあるが、目的達成のためにはおおむね順調に進んでいるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で最終年となるので、これまでに得られた成果を活用して、支援プログラムを考案する予定である。また考案したプログラムを実際に活用して実践し、その効果を検証する。 中学生、女子大学生については昨年度に成果をまとめて発表することができたが、中高年者について今年度、発表予定である。また、昨年度は身体活動量と総運動時間、身体活動量と体力や身体組成という量的検証を行ったが、今年度は身体活動定値者の要因をより深く探るために、質的検証についてもまとめて発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では介入を行う予定で、プログラム実施のための講師謝金や被験者謝金等を想定していたが、対象被験者の選定が困難で実施できなかったため、その関係経費が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は対象被験者を限定せず、より広い対象でプログラム検証の実施を予定しており、それにかかる講師謝金、被験者謝金、プログラム実施に伴う消耗品等に使用する予定である。
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