研究課題/領域番号 |
26350850
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
入山 八江 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (00724212)
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研究分担者 |
串田 修 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (30612725)
斎藤 トシ子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (40339958)
村山 伸子 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (80219948)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 職域 / 特定給食施設 / 高血圧予防 / 食環境 / 栄養教育 / 行動変容理論 |
研究実績の概要 |
1.勤労者の高血圧予防を目的とし、新潟県内の特定給食施設8施設457人(男性 268人、女性 189人)を対象に介入研究を実施した。主に減塩と野菜摂取の増加を目的として、環境介入のみ群、栄養教育と環境介入群、対照群の3群に分けて1年間実施した。 2. H27年10月~11月に1年後調査を実施した。内容は食習慣調査及び食物摂取頻度調査(BDHQ)、尿検査である。また、BDHQは分析機関に委託した。さらに、直近の健康診断結果を本人同意の上で必要項目の提供を受けた。 3.食環境介入としては、各事業所の社員食堂において卓上メモを行動変容理論に基づいて作成し、各施設ごとの食堂テーブルに設置し、2週間ごとに入れ替えし、健康情報を提供した。その他、ぽったん醤油差しの設置や給食のうす味への取り組み(ゆるやかな減塩としてみそ汁、麺液の塩分%測定)、フルーツバイキングを行った。1年後に追加調査として、提供汁物(みそ汁・麺液)のゆるやかな減塩状況と社員の意識、卓上メモをどの程度みたか等について質問紙による調査を実施した。栄養教育と環境介入群については、環境介入のほかに個別指導を年1回、栄養教育(グループ指導)を年6回実施した。対照群については、クロスオーバーとして平成27年12月から、同様な内容で実施中である。 4.学会発表は、平成27年に国内で1編発表し、論文発表は国内1論文、国外1論文を発表した。1年後の効果については、現在、分析中であり、今後、発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.H27年10月~11月に実施した1年後調査(食習慣調査及び食物摂取頻度調査(BDHQ)、尿検査)では、457人中395人の協力が得られ86.4%の回収率であった。 2.環境介入として行動変容理論に基づく卓上メモを26種類作成し、5施設に設置することができた。また、みそ汁と麺液の塩分%測定を5施設から毎月報告を受け、どの介入施設もゆるやかな減塩による取組みを実施した。その結果、1年後に汁物の塩分を職域で減少させることができ、それに対する勤労者の満足度が高いことも結果として分かった。 3.平成26年では、勤労者のスポット尿を生体指標として用い、尿中食塩排泄量と食物摂取頻度調査から得られる食塩摂取量との相関関係を分析した。さらに、平成27年では、尿中カリウム排泄量と食物摂取頻度調査から得られるカリウム摂取量との相関関係を分析した。 4.勤労者における野菜及び果物摂取行動に関する自己効力感尺度の信頼性と妥当性の検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
1.平成27年11月~平成28年10月に、対照群に対する介入をクロスオーバーで実施する。 2.平成28年度においては、勤労者を対象とした減塩および野菜・果物の増加を図ることによる高血圧予防の成果を検証するためにデータの解析を実施する。 3.この研究により得られた成果について、学会発表を行う。さらに、論文にまとめる。 4.国の施策である健康日本21(第二次)において、減塩は重要課題の一つである。比較的若年層の時から食環境にアプローチできる職域において、減塩の成果が上がれば、取組みの広がりも期待できることから、成果を出す手法の開発を今後さらに追及し、行政と連携して進めていく。
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