加齢による末梢神経および毛細血管の退行を検証し、また高齢期の末梢神経・毛細血管退行に対する低強度運動の効果を検証した。若年期と高齢期ラットの脛骨神経では高齢群の著明な有髄線維と毛細血管数の萎縮と減少が認められた。2週間の低強度運動を実施した運動群とコントロール群の神経組織と血清におけるBDNF(末梢神経線維の修復・生存維持促進因子)とVEGF(血管新生促進因子)の発現量では、運動群の組織BDNFの増加と血清BDNFの減少がみられ、また運動群の組織VEGFの減少と血清VEGFの増加がみられた。つまり、末梢神経と毛細血管は相互補完的作用により双方の生存・再生を可能することが明らかとなった。
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