医療型障害児入所施設AおよびB病棟に入所する重症心身障害者,それぞれ6名および3名に,1回6~15分,週3回以上の車いすダンスによる介入を1年間実施した.ベースライン,介入後3,6,および12か月時に車いすダンス時の酸素摂取量と心拍数から1回拍出量の指標となる酸素脈を測定した.A病棟では介入後3~6カ月でダンス時の酸素脈が増加し呼吸循環系持久力の向上が示唆された.一方,B病棟3名の酸素脈の増加は統計的に明らかではなかったが,介入後3か月と6か月とでダンス前後における心拍数変動の応答様式が逆転したことから,車いすダンスによる介入が身体活動に対する自律神経応答に影響を及ぼしていることが示唆された.
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