研究課題/領域番号 |
26350866
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研究機関 | 宮崎公立大学 |
研究代表者 |
宮元 章次 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (90157678)
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研究分担者 |
串間 敦郎 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (20214950)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | BMI / 体脂肪率 / 体力 / 血中脂質 / 血糖値 |
研究実績の概要 |
本年度は、2015年以前に調査を行った学生150名を対象に再調査を実施した。出生体重が2500g未満はおおよそ10%であった。これらの対象者について、体格指数としては体重(kg)を身長(m2)で除したBMIを求めて、身体組成は体脂肪率(%)を用いた。体脂肪率はインピーダンス法(TANITA; BF-220)を用いて測定した。フィットネスの指標に関連するとされる筋力については背筋力を測定し、持久力については踏み台昇降運動を実施した。臨床検査項目については、メタボリック症候群の検査項目である血清脂質(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、空腹時血糖、および収縮期血圧について求めた。統計処理はBMIで3群にわけて、それぞれについて体脂肪率が低い・普通・高い割合を算出した。また、BMIで3群にわけ、それに対して、体脂肪率を説明変数、他の測定項目を目的変数とした単回帰分析を行って、回帰直線と信頼区間を求めた。体脂肪率34%以上に基づく肥満は、18.5 <BMI<25 に3.4%、及びBMI>25 に4.3%いた。BMI>25 では体脂肪率が持久力を低下させていて、中性脂肪、HDLコレステロール、空腹時血糖、および収縮期血圧に影響を与えていた。18.5 <BMI<25 ではHDLコレステロール除く他の臨床検査項目に体脂肪量がBMI>25と同様の影響を及ぼしていた。低出生体重で生まれて成長した場合、内臓などの組織、筋肉、骨の発育が悪くて代謝が低い可能性があることからBMI>25 並びに18.5 <BMI<25では体脂肪率がフィットネスや臨床検査項目に影響を及ぼすことから、肥満の予防としてBMIに体脂肪率を併用することの有用性が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査期間は2014年4月から2018年4月までの5年間であって、今年度は4年目である。データは大学入学直後の4月(4年目の4月)は2011年(2014年)、2012年(2015年)、2013年(2016年)、そして今年度2014年(2017年)を得ることができた。調査項目については、月経に関するアンケート、体力測定、健康度測定、体格測定を順調に行っている。当初の被検者は出生体重が1.5kg以上2.5kg未満の低出生体重80名、及び出生体重が2.5kg以上の標準体重920名である。現在、600名を対象に再調査が進んでいて、その中に低出生体重60名を抽出している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の調査方法に基づいて平成30年度の調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査について、当初は業者等に全面的に外部委託する予定であったが、その内容の一部を研究者自身で行ったことにより、経費を削減するに至った。 また、2017年度に行った学会発表について、研究代表者と研究分担者の2名で実施する予定であったが、研究代表者のみで行ったことなどにより、他の経費の一部も未使用となっている。 あわせて、研究期間途中であるため、経費削減に努めていたが、2018年度は最終年度となるため、当初の研究計画に支障をきたすことのないよう、研究計画を再考する予定である。
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