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2018 年度 実績報告書

地域で暮らす認知症高齢者のための新規栄養ケアモデルの構築と応用可能性

研究課題

研究課題/領域番号 26350867
研究機関東都医療大学

研究代表者

佐藤 香苗  東都医療大学, 管理栄養学部, 教授 (40405642)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード認知症高齢者 / 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) / QOL / Vitality Index / 栄養状態 / 排便障害 / 栄養強化常備菜 / 物性評価
研究実績の概要

本研究は認知症高齢者のQOL向上に寄与する新規栄養ケアモデルの構築を目的とした。
最初に、認知症高齢者の至適エネルギー必要量を推定するため、100名の実測値から認知機能別の安静時エネルギー消費量(REE)の推定式を構築した。次に、95名を対象として、春夏秋冬連続7日、計28日間の半秤量食事記録法調査を行い、食物繊維、カルシウム、亜鉛の摂取量が少ないことを明らかにした。
QOLについては、Quality of life instrument for the Japanese elderly with dementia(QLDJ:3領域24項目)を用いて153名を対象に測定・分析したところ、「周囲との生き生きとした交流」領域で栄養食事摂取との有意な関連を見出した。Vitality Index(VI)と食事動作の自立との強い関連性も報告されていることから、食への関心・意欲を喚起させ不足しがちな栄養素や食品群を集中トリートメントする栄養介入によって、認知症高齢者のQOL向上に寄与できる可能性が示唆された。
そこで、栄養機能食品を添加した3種類の「おかず団子」を考案した。おかず団子は栄養補給に加え食思不振改善や食事動作の自立支援を目的とした常備菜で、アレンジ可能である点で継続摂取を狙ったものである。グループホーム入居者を対象としたクロスオーバー試験の結果、排便・栄養状態の改善とVIおよび「周囲との生き生きとした交流」領域得点の有意な上昇を確認した。
平成30年度は、認知症高齢者の嚥下機能状態への適応度の確認と製造工程における作業の標準化・品質管理を目的としておかず団子の物性(硬さ・付着性・凝集性)を測定・評価した。嚥下調整食分類2013にあてはめて評価すると、硬さ・付着性・凝集性ともに嚥下調整食3から4に分類された。おかず団子は認知症高齢者の嚥下機能にも適合し、通常の食事への付加という簡便さやアレンジ可能性を有し低コストであることから、新規栄養ケアモデルとして普及に結びつくものと考える。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 年長者におけるミョウガの継続的摂取の実施可能性2019

    • 著者名/発表者名
      阿部雅子,長井祐子,佐藤香苗
    • 雑誌名

      東都医療大学紀要

      巻: 9 ページ: 19-30

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Simulated Patient Practice on the Self-Efficacy of Japanese Undergraduate Dietitians in Nutrition Care Process Skills2018

    • 著者名/発表者名
      Tada T, Moritoshi P, Sato K, Kawakami T, Kawakami Y
    • 雑誌名

      Journal of Nutrition Education and Behavior

      巻: 50 ページ: 610-619

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.jneb.2017.12.013

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] QOLをハカル:食生活支援の視座から2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗
    • 雑誌名

      日本食生活学会誌

      巻: 28 ページ: 253-265

    • DOI

      doi.org/10.2740/jisdh.28.4_253

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 長寿を獲得した日本人高齢者の栄養摂取 -国民健康・栄養調査成績を活用した世代間比較-2019

    • 著者名/発表者名
      佐々木正子、横山悠太、佐藤香苗
    • 学会等名
      日本生理人類学会第79 回大会
  • [学会発表] 管理栄養士教育におけるOSCE(オスキー)導入の意義2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗
    • 学会等名
      第8回日本栄養改善学会東海支部会学術総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 病院給食における誤配膳と異物混入の再発防止策の効果-品質管理向上の観点から-2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木正子、佐藤香苗
    • 学会等名
      日本食生活学会第56回大会
  • [学会発表] 戦略的P-mSHELLモデルを用いた病院栄養部門のインシデント・アクシデント再発防止策の検証2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木正子、佐藤香苗
    • 学会等名
      日本健康科学学会第34回学術大会
  • [学会発表] 高齢者の健康感とミョウガに関する意識調査2018

    • 著者名/発表者名
      阿部雅子,長井祐子,佐藤香苗
    • 学会等名
      日本健康科学学会誌 第34回学術大会
  • [学会発表] SWOT分析を用いた病院栄養部門の利益獲得システム2018

    • 著者名/発表者名
      佐々木正子、佐藤香苗
    • 学会等名
      第65回日本栄養改善学会学術総会
  • [学会発表] 管理栄養士養成課程における臨床実践力育成を考える: 客観的臨床能力試験(OSCE)導入の意義と普及可能性2018

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗、石井優子、佐々木正子、山王丸靖子、和田政裕、山部秀子、川上貴代、田中政巳
    • 学会等名
      第7回日本栄養学教育学会学術総会
  • [図書] クェスチョン・バンク管理栄養士国家試験問題解説20202019

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗ほか
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      メディックメディア
  • [図書] レビューブックブック管理栄養士20202019

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗ほか
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      メディックメディア
  • [図書] 管理栄養士のためのなせ?どうして?⑤応用栄養学第二版2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗ほか
    • 総ページ数
      -
    • 出版者
      メディックメディア
  • [図書] クエスチョン・バンク管理栄養士国家試験問題解説20192018

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗ほか43名
    • 総ページ数
      1007
    • 出版者
      メディック メディア
    • ISBN
      978-4-89632-718-2
  • [図書] レビューブックブック管理栄養士20192018

    • 著者名/発表者名
      佐藤香苗ほか22名
    • 総ページ数
      980
    • 出版者
      メディックメディア
    • ISBN
      978-4-89632-719-9

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公開日: 2019-12-27  

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