研究課題/領域番号 |
26350868
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 裕之 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (00348129)
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研究分担者 |
倉林 正彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00215047)
児玉 直樹 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (50383146)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 健康ビッグデータ / 健康データマイニング / 遅延相関分析 / 季節変動補正 |
研究実績の概要 |
本研究では先ず、日毎の粒度で長期に亘って時系列的に蓄積された健康ビッグデータを、これまでの研究から明らかになったデータの周期的な季節変動を反映(フィードバック)させて処理し、個人の健康管理に役立つ知識を抽出する手法を開発する。今年度は、試行中のクラウド型個人健康管理システムの1人のボランティアユーザが8年7か月に亘り蓄積した日毎粒度の体脂肪率データとエネルギーの消費と摂取に関わる生活習慣データに基づき、開発中の健康データマイニング技術を評価した。その結果を以下に要約する。 (1)体脂肪率データは夏に低く冬に高い明らかな周期的季節変動を示し、その変動幅を基にデータ補正を施すことにより、時系列データのばらつきは正規分布に近づく。(2)相関ルール生成のための説明変数を探索する遅延相関分析においては、体脂肪率データの季節変動分はほぼ相殺されるため、季節を跨る長期間のデータを対象にしてもその妥当性は保証される。(3)一方、目的(ターゲット)変数は数値である体脂肪率を「高い」「中間」「低い」の3つのシンボル値を持つ変数に変換し、それぞれの値に属するデータ数がほぼ等しくなるように境界値を設定するので、データ補正の影響を直接受ける。(4)相関ルール生成の結果、季節を跨る時系列データを対象にルール生成を行う場合には、季節変動補正後のデータを用いることにより、個人の健康管理に役立つルールが得られる。 このように今年度の研究により、個人の長期に亘る日毎粒度の体脂肪率の時系列データから季節変動など別の要因による変化のパターンを抽出し、そのパターンをバイアスとして処理することにより、生成される相関ルールの有用性向上を実現できることが判った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試行中のクラウド型個人健康管理システムの1人のユーザが、8年7か月に亘り時系列的に蓄積した日毎粒度の体脂肪率データを、データの周期的な季節変動を反映させて処理して、エネルギー消費と摂取に関わる生活習慣の時系列データとの相関を解析することにより、個人の健康管理に役立つ知識(ルール)を抽出することができた。 この結果により、本研究の意義とフィージビリティが確認できた。今後この手法が体脂肪率以外の他の健康データにも適用できるかを検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は、健康ビッグデータの例として、個人の8年7か月に亘る日毎粒度の体脂肪率データとエネルギー消費と摂取に関わる生活習慣データを対象に研究を行い、狙いに沿った結果を得ることができた。次年度は他の健康データを対象にするとともに、処理手法のクラウド型個人健康管理システムへの実装方法についても検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の精算尻が合わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費に加算して使用する。
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