今年度は、一般成人、医療従事者(薬剤師、管理栄養士、助産師)について標本数が少なかった薬剤師について追加調査を実施した。結果を精査し最終的に一般消費者567名、薬剤師434名、管理栄養士341名、助産師160名、合計1502名を解析対象とした。これらについて比較検討を行ったのが次の結果である。全体の972人(64.7%)が健康食品(本研究では特定保健用食品からいわゆる健康食品までを含む)の使用経験者であった。中でも助産師の使用割合が高かった(82.5%)。さらにこの中から「現在使用している」396名について質問を行った。使用している健康食品は「マルチビタミン」が最も多く、使用目的は「栄養補給」「健康維持」が挙がった。使用頻度は「毎日」が多く、購入場所はドラッグストア」が最も多かった。商品表示は全体の80%以上が確認をしていた。健康食品に対してもつイメージは、一般消費者は「安全」「健康になれる」などのポジティブイメージを持っていたが、医療従事者では「副作用がある」「疑わしい」などのネガティブイメージを持つ傾向があり、対象者の属性に関連したイメージの乖離が認められた。健康食品に対する知識では、一般消費者と医療従事者間での大差は見られなかったが、管理栄養士の知識が高い傾向であった。健康食品の認可にふさわしい機関では「国」「独立行政法人」との回答が多く、有効性表示として相応しい段階では「健康増進に効果があることまで」が全対象者において高い回答率であった。また、イメージについて因子分析を行い共通性による精査を試みたところ、19項目から2因子9項目が抽出された。2因子は項目から、ポジティブとネガティブに分類された。次に健康食品の使用有無を従属変数とし、属性およびイメージ2因子を独立変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ、イメージが購買に影響を与えることが認められた。
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