研究課題/領域番号 |
26350872
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山本 美智子 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90538125)
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研究分担者 |
齋藤 充生 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (30392301)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域医療 / 医薬品情報 / 根拠に基づく医療 / 一般用医薬品 / 薬局 |
研究実績の概要 |
地域医療の重要な拠点として、薬局は、要指導医薬品・一般用医薬品(OTC)、医薬部外品や健康食品の販売から在宅療養支援活動までを担っており、薬局に対する期待は高まっている。しかしながら、実際には、患者・生活者および薬剤師やその他の医療従事者に対する中立的な情報提供支援体制は十分とは言えないのが現状である。本研究では、わが国における地域医療を担う薬局および患者・生活者に対する情報支援サービスの体系的な標準モデルシステム構築を目的として、以下の研究を有機的に連携して実施した。薬局における情報支援モデルである薬局版アカデミックディテーリングについては、中立的な情報支援のモデルとして、websiteのプロトタイプを構築した。代表的な疾患として糖尿病を取り上げ、関連する医薬品情報についても、各国の評価情報を中心に作成した。薬局での需用者の選択に資するシェルフトーカー及び薬剤師用資材については、18種の一般用漢方製剤について、症状、体質及び体調等を分かり易い言葉とし、また、代替薬を示す等の工夫を加え試作した。これを踏まえ、薬局に対するOTC販売状況に関するアンケートは、来年度のシェルフトーカーのパイロットスタディ実施後に、シェルフトーカーに関する事項とともに実施することとした。薬局と医療機関の連携による糖尿病治療支援を行う日本型アッシュビルプロジェクトは、一地域で12ヶ月の支援期間で実施した。薬局における支援の品質は、薬剤師への研修とその修了確認で担保し、患者満足度により品質を評価した。薬局情報をもとに地域住民の健康状態を把握するヘルスヴィジランスについては、インフルエンザ薬の処方数の変動から感染流行を把握する手法について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薬局における情報支援モデルについてはwebsiteのプロトタイプを作成し、シェルフトーカーについては一般用漢方製剤を対象に試作し、薬局情報を用いたインフルエンザ感染解析についてはデータ収集を実施し、日本型アッシュビルプロジェクトについては一地域で試行した。シェルフトーカーの要否を含め、薬局におけるOTCの販売状況に関するアンケート調査については、次年度の1薬局でのパイロットスタディ後に実施することとしたが、全体的には、当初の計画以上の広がりを示し、ほぼ予定どおりに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
薬局における情報支援モデルである薬局版アカデミックディテーリングについては、本研究班の成果等を中心としたwebsiteを作成し、関係者の意見を集める予定である。薬局での需要者の選択に資するシェルフトーカー及び薬剤師用資材については、一般用漢方製剤を対象にまず1店舗でパイロットスタディを実施し、その後、複数薬局を対象にしたアンケート調査を実施する予定である。薬局と医療機関の連携による糖尿病治療支援を行う日本型アッシュビルプロジェクトは、今後、地域、例数を拡大して実施する予定である。薬局情報をもとに地域住民の健康状態を把握するヘルスヴィジランスについては、インフルエンザ薬の処方数からインフルエンザ流行メカニズムの解析についてモデル解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬効グループ別シェルフトーカー日本版モデルとして漢方薬の作成が順調に数進み、薬局薬剤師を対象にしたWebアンケートによる情報入手・および提供に関する実態調査として、薬局薬剤師を対象に情報提供の現状に関するWebアンケート調査を行う予定であったが、そのアンケート調査に向けた事前資料の作成および準備に手間取り、実行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、薬局薬剤師を対象に情報提供の現状に関するWebアンケート調査を行う予定である。
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