本研究では1年間の追跡調査を行い、変形性股関節症患者の主観的QOLに関連する変数を検討した。患者241人に協力を依頼、236人から同意を得て、220人から調査票を回収した。1年後の調査には、2017年3月末時点で115人が参加している。ベースライン時の疾病理解、重症度、自己効力感は1年後のQOL全般と関連していたが、疼痛が関連していたのはQOLの身体的側面のみであった。ベースライン時の疼痛と陽性感情の関連は、1年後には見られなくなった。1年後の治療への主体的取り組みは、同時期の陽性・陰性感情と関連していた。変形性股関節症患者の治療において、疾病の理解と主体的取り組みが重要であることが示された。
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