研究課題/領域番号 |
26350876
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (50290549)
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研究分担者 |
八谷 寛 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30324437)
伊藤 康宏 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 教授 (40176368)
井上 顕 島根大学, 医学部, 准教授 (40469036)
巽 あさみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90298513)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠 / 自律神経 / 感情 |
研究実績の概要 |
【背景】睡眠は、疲労からの回復に重要な役割を果たしている。日中のストレスによって過剰に活性化された交感神経系の活動が夜間まで持続し、睡眠の質あるいは量に影響を与えたことを示している可能性が考えられる。一方、睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化によって、日中あるいは夜間の自律神経系の活動が変容するのではないかとも考えられる。 【目的】感情(気分・情動)と睡眠の関連において睡眠は、気分・情動に影響を与えたり、睡眠不足は、焦燥感、怒り、ストレス感、活気のなさ、悲しみ、疲労感をもたらすと考えられている。気分・情動と自律神経活動の関連において、気分障害患者は健常者と比較して自律神経機能が低下しているという報告がある。そこで、気分・情動と睡眠、自律神経活動の3つに着目し、気分・情動の変化と睡眠時の自律神経活動との関連を検討した。 【方法】睡眠前後のPOMSの比較を行い、変化なしもしくは気分が好転したものを「不変または改善群」、気分が悪化したものを「不調傾向群」として2群に分けた。ActiHR4より、夜間睡眠時の自律神経活動を評価としてLF、HF、LF/HFを測定した。統計解析は、「不変または改善群」と「不調傾向群」の間における自律神経活動の平均の差の検定をt検定にて行った。(SPSS21.0J) 【結果および考察】POMSと自律神経活動の関連において、LF/HFが緊張―不安(T-A)、怒り―敵意(A-H)で有意な差を認めた。また、抑うつ―落ち込み(D)、活気(V)、疲労(F)においても境界有意な差を認めた。いずれも「不調傾向群」では、LF/HFが有意に高値となった。睡眠前後に気分が不調傾向に変化した群では、不変または改善群に比べ、睡眠時の交感神経活動が活性化していたことが示された。したがって、睡眠時の交感神経活動が気分の変化に影響を与える可能性が推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
睡眠調査のための機器整備を行った。機器を用いた睡眠調査を実施し解析を行っている。 また、フィールド調査も実施し、抑うつと睡眠障害の診断において群分けも終わっている。
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今後の研究の推進方策 |
フィールド調査における検体を凍結保存している。したがって、検体についてストレス関連バイオマーカーの測定を行う。また、今年度、同じ対象者に調査を行うため、同様の検体測定も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィールド調査における検体採取が遅れたが、概ねの人数は採取出来ている。
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次年度使用額の使用計画 |
検体採取は行ったため、検体測定を本年度行う。
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