脳由来神経栄養因子BDNFは食欲や血糖を抑制するため肥満や糖尿病の治療薬として期待されるが、骨格筋でも産生されマイオカインとしても注目される。我々はBDNFが膵グルカゴン分泌の抑制により血糖を低下させる可能性を示した。また最終糖化産物(AGE)がヒト血小板においてSrc family kinaseの活性を介してBDNFの放出を促進し、血小板内BDNFの枯渇をもたらしている可能性を示した(古川らCardiovasc Diabetol. 2017;16(1):20)。糖尿病ではAGEにより血小板内のBDNFが枯渇し、BDNFの血管保護効果の減弱により糖尿病血管合併症が促進される可能性が示唆された。
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