研究課題
平成28年度は、余暇時の身体活動量と健康寿命との関連について、他の危険因子による層別解析とそれらの交互作用を検討した。対象は1988年の久山町循環器健診を受診した68歳以上の住民のうち、日常生活動作(ADL)障害がなく、余暇時の身体活動の情報が得られた507名(男性182名、女性325名)であった。追跡期間は2012年まで24年間とした。健康寿命はADL障害を発生せず生存、ADL障害を発生せず死亡、ADL障害を発生せず平均余命(昭和63年時の厚生労働省の推算値、男女別・5歳年齢階級別)の到達のいずれかと定義した。余暇時の身体活動量は週1回以上の運動習慣の有無を調査した。次に、運動習慣を有する対象者について、運動の種目をもとにメッツ換算表に基づく運動強度を算出し、これに1回あたりの運動時間と週あたりの運動頻度を掛け合わせて週あたりの余暇時の身体活動量(メッツ・時/週)を算出した。余暇時の身体活動量に基づき対象者を3分位に分け、運動習慣のない群を加えた計4群で解析した。層別解析に使用した危険因子は、性、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、飲酒、中等度以上作業強度とした。その結果、男性、高血圧者、非肥満者において、余暇時の身体活動量レベルの上昇に伴い多変量調整後の健康寿命到達のハザード比は高い傾向を示したが、統計的有意差を認めなかった。また、いずれの背景因子も層別解析における交互作用には有意差を認めなかった(全ての交互作用p値>0.27)。
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The journal of Nutrition, Health & Aging
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Circulation Journal