研究課題
肥満症に食事量の増加と併せてイライラ食いなど精神的なストレスが誘因で起こることが臨床的に見られる。ストレスが加わることで食事量や内容が変化するのか、さらにストレスが肥満症につながるのかの詳細な解析は未だである。そこで今回の目的はストレス関連の末梢と脳内と因子の解析を行いストレスと肥満症の関係について解析することである。通常モデルマウス群、寒令水足ストレス負荷マウス群、攻撃ストレス負荷マウス群を用いて解析した。当初より高脂肪食を摂取したときは、寒令水足ストレス負荷と攻撃ストレス負荷の2群で摂食量の増加とストレス性の過食と肥満症になる所見とまた寒令水足ストレス負荷の群では、血液中の肝臓中性脂肪含量の増加、中性脂肪濃度増加などメタボリック症候群様の所見を認めた。今年度は、以上の所見と併せて肥満、脂質代謝に関与すると考えられる脳内と肝臓内のヒスタミンH1受容体とH2受容体の発現の状況を解析した。研究現況としてはストレス誘導肥満症モデルにおける、各脳内領域における凍結サンプルを抽出し、当該モデル神経核内で発現する蛋白の発現量をウエスタンブロッティング法で検討した。ストレス誘導肥満症モデルにおける脳内での各因子の遺伝子の発現量の解析の一部がうまく検出できず予想より時間を要しており、未使用額が発生している。また補助事業の目的をより精緻に達成するために学会での研修や発表などへ結び付けたく研究を進めている。
3: やや遅れている
研究目的の達成度の区分としてはやや遅れている。平成28年度の計画ではストレス誘導性の肥満メタボリックシンドロームモデル動物の更なる脳内のストレス関連分子の解析を行うことであった。特に脳内と肝臓でのヒスタミン合成酵素、ヒスタミンH1受容体、ヒスタミンH2受容体の変化の解析を進めた。ストレス誘導性の肥満メタボリックシンドロームモデルでは脳内ヒスタミン合成酵素の上昇を認めたが明らかなヒスタミンH1、H2受容体の変化は認めなかった。しかし一部がサンプル不良でうまく解析できす全体としてはやや遅れている。
平成29年度では、ストレス誘導肥満症モデルにおける、各脳内領域と肝臓におけるサンプルを抽出し、当該モデル神経核内で発現する蛋白の発現量を検討した。しかしストレス誘導肥満症モデルにおける脳内でのH2受容体などの因子の遺伝子の発現量の解析の一部がサンプル不良でうまく検出できず予想より時間を要しており、未使用額が発生している。また補助事業の目的をより精緻に達成するために学会参加や論文投稿などへ結び付けたい。
平成29年度では、ストレス誘導肥満症モデルにおける、各脳内領域と肝臓におけるサンプルを抽出し、当該モデル神経核内で発現する蛋白の発現量を検討した。しかしストレス誘導肥満症モデルにおける脳内でのH2受容体などの因子の遺伝子の発現量の解析の一部がサンプル不良でうまく検出できず予想より時間を要しており、未使用額が発生している。
平成28年度の未使用分を用いて平成29年度に通常モデル群、寒令水足ストレス負荷実験のためのモデル動物の追加の購入と作成とあわせて、サンプル抽出を再度行い解析したい。併せてそれらの発表や理解を深めるための学会や研究会等への旅費や可能であれば論文投稿費等にも使用したい。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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