運動時にみられる血栓形成に影響を及ぼす因子を定量する目的で、異なる運動強度、運動時間ならびに脱水の程度と血栓形成関連因子(VWF・ADAMTA13)との関連性ついて検討した。その結果、運動時の血栓傾向を示すVWF・ADAMTA13の比は運動時間よりも運動強度に影響され、55%VO2max付近に血栓傾向が著増する「運動強度閾値」のあることが認められた。次に脱水率との関連性についてみると、環境温度の違いによる脱水率の相違はVWF・ADAMTA13の変化には影響を及ぼさなかった。これらの結果は、運動時にみられる血栓傾向は運動強度に起因していることを示唆している。
|