研究課題/領域番号 |
26350908
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
小風 暁 昭和大学, 医学部, 教授 (70271583)
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研究分担者 |
木庭 新治 昭和大学, 医学部, 准教授 (20276546)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ミトコンドリア遺伝子多型 / 長寿 / 生活習慣 / 活性酸素 / 行動変容 / 遺伝的リスク値 |
研究実績の概要 |
既存データのマイニングにより下記の成果を得た。 ①Mt5178C/A多型における喫煙習慣と肝酵素(AST、ALT、GGT)との関係について検討した。女性、B型・C型肝炎患者、データに欠損がある人を除く男性421名(54.1 ± 7.7歳)を解析の対象とした。喫煙習慣については、喫煙習慣なし、1日20本以下、1日21本以上の3群に分けて検討した。Mt5178A型においては喫煙本数が増えるほど肝障害(ALT > 30U/L; GGT >= 60U/L or > 51U/L)のリスクが上昇する傾向を認めた。年齢、BMI、飲酒習慣、コーヒー飲用、降圧剤服用の有無、糖尿病治療の有無で調整後も同様の結果であった。一方、Mt5178C型においては、喫煙本数が増えるほど肝障害(ALT > 30U/L or >= 25U/L)のリスクが低下する傾向を認めた。 ②Mt5178C/A多型におけるコーヒー飲用と赤血球パラメーターとの関係について検討した。女性、データ欠損がある人を除く男性436名(54.1 ± 7.8歳)を解析の対象とした。ヘモグロビン値14g/dL未満を貧血と定義し、コーヒー飲用については、1日1杯未満、1-3杯、4杯以上の3群に分けた。 Mt5178C型においては、年齢、BMI、飲酒習慣、喫煙習慣、緑茶飲用で調整したところ、コーヒー飲用杯数が多いほど赤血球数、ヘモグロビン値が低下した。また、統計学的有意差は認められなかったが、コーヒー飲用杯数が多いほど貧血のリスクが上昇する傾向を認めた。コーヒー飲用が1日1杯未満の人に比べて、1日4杯以上の人では貧血のリスクの有意な上昇を認めた。一方、Mt5178A型においてはコーヒー飲用杯数が多いほど貧血のリスクが低下する傾向を認めたが、年齢、BMI、飲酒習慣、喫煙習慣、緑茶飲用での調整後はその傾向は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
データマイニングおよびアンケート調査による研究は概ね順調に遂行されているが(平成26年度において英文原著論文2編を発表)、本研究課題の主目的である心臓リハビリテーション実施者を対象とした活性酸素の測定が未だに開始できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
データマイニングおよびアンケート調査による研究はこれまで通りのペースで進め、英文原著論文を発表する。心臓リハビリテーション実施者を対象とした活性酸素の測定については昭和大学ヒトゲノム・遺伝子解析倫理審査委員会の承認後に実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
心臓リハビリテーション実施者を対象とした活性酸素の測定が未だに開始できていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
昭和大学ヒトゲノム・遺伝子解析倫理審査委員会の承認後、心臓リハビリテーション実施者を対象とした活性酸素の測定については実施する。その測定に必要となる物品などで研究費を使用する予定である。また、アンケート調査に関するデータ入力の費用の他、データ解析後の論文作成時の英文校正代、投稿料、掲載料に使用する予定である。
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