研究課題
我々はこれまでに長寿関連ミトコンドリアDNA 5178C/A(Mt5178C/A)多型とコーヒー飲用との肝酵素、血球計数、血清クロール値への交互作用、およびMt5178C/A多型と眼圧との関係についても報告した。今年度はMt5178C/A多型とコーヒー飲用との眼圧への交互作用について検討した。1999年から2000年にM市の某病院の人間ドックを受診した602名のうち、女性、眼科疾患患者、データ欠損がある人を除く男性431名(54.1 ± 7.8歳)を解析の対象とした。Mt5178C/A遺伝子型の判別は制限酵素AluIを用いたPCR-RFLP法で行った。また、75%値である眼圧14.5mmHg以上を眼圧高値とした。その結果、Mt5178C型では、単回帰分析においてコーヒー飲用杯数が増えるほど眼圧が低下した(P = 0.029)。説明変数に年齢、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣を加えて重回帰分析を行った結果においてもコーヒー飲用杯数が増えるほど眼圧が低下した(P = 0.038)。また、ロジスティック回帰分析において、コーヒー飲用については1日1杯未満、1日1-3杯、1日4杯以上、の3群に分け、上述の項目も加えて解析を行ったところ、コーヒー飲用が増えるほど眼圧高値のリスクは低下した(P for trend = 0.004)。なお、百寿者に多いとされるMt5178A型においては、コーヒー飲用杯数と眼圧との関連、およびコーヒー飲用と眼圧高値のリスクとの関連はともに認められなかった。以上のことから、Mt5178C/A多型はコーヒー飲用の眼圧への影響を修飾する可能性が示唆された。
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Nutrients
巻: 10 ページ: 1344
10.3390/nu10101344