研究課題/領域番号 |
26350912
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
竹ノ谷 文子 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (30234412)
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研究分担者 |
亀井 淳三 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40161236)
塩田 清二 星薬科大学, 薬学部, 教授 (80102375)
平子 哲史 人間総合科学大学, 人間科学部, 助教 (90644261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 抗肥満ペプチド / マウス / 運動療法 / 点鼻投与 / 脂質代謝 |
研究実績の概要 |
我々はこれまで、抗肥満が期待される抗肥満ペプチドであるガラニン様ペプチド(GALP)やニューロペプチドW(NPW)に注目し、これらのペプチドの機能形態解析を行ってきた。マウスを用いたGALPおよびNPWの投与実験により、摂食量、体重の減少を明らかにした。しかし、抗肥満ペプチドはいくつか種類が見られるが、運動を課すことによって抗肥満作用が消失するも例外ではないことから慎重なペプチドの選択が重要である。GALPの抗肥満作用は運動を課すことにより、より脂質代謝亢進作用が見られることを明らかにしてきた。そこで、その抗肥満ペプチドと運動を併用させて効果的でかつ効率的な肥満解消を狙った新規の運動療法の開発を目指す為に、静脈投与や皮下投与ではない、ヒトに応用可能なGALP点鼻投与法を確立した(論文作成中)。また、肥満モデルマウスを用いたGALP点鼻投与により摂食量および体重減少がみられることを確認した。さらに、GALPの脳室内投与において肝臓での脂質代謝亢進関連遺伝子の発現が増加することを明らかにし、GALPは中枢のみならず、末梢においても抗肥満作用を発揮することを論文にて報告した。しかし、GALP点鼻投与における肥満関連遺伝子についての詳細は明らかではないことからメタボローム解析が必要とされる。これまでのメタボローム解析は1匹にみであることから、本年度はN数を増し、さらに運動を課した抗肥満効果を解析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は学内の研究室の移動および新教室の立ち上げにより、実験機器等が揃わなかったことから、研究および実験等に遅れがみられた。 さらに本年度は抗肥満ペプチドであるガラニン様ペプチド(GALP)の投与により、呼吸商が下がることから、GALPの脂質代謝に注目し、その作用機序を論文作成することにしたことから、論文作成の為のデータづくりを優先したところ、メタボローム解析の結果までは得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今回のテーマで用いられる抗肥満作用が期待されるペプチドは、主にガラニン様ペプチド(GALP)およびニューロペプチドW(NPW)であるが、どちらのペプチドがどのような方法で、より有効な抗肥満作用を発揮するかを検討する予定である。 また、有効な点鼻投与を確立させ、そのサンプルをメタボローム解析し効率的な点鼻投与と運動を併用した新しい運動療法を作成していく為の基礎データーを得ることを目標にする。また実際にモデルマウスを用いて、抗肥満ペプチドの点鼻投与と運動による抗肥満作用も検討する。その運動の強度による抗肥満効果の違いについても検討する。本年度は最終年度であることから得られた結果は、国内外で積極的に学会発表や論文作成を行う。
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