研究課題/領域番号 |
26350923
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
市川 政雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20343098)
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研究分担者 |
中田 由夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00375461)
中原 慎二 帝京大学, 医学部, 准教授 (40265658)
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子ども環境学 / ヘルスプロモーション / 都市計画 |
研究実績の概要 |
緒言:子どもの健全な発育には日常生活の身体活動が欠かせない。しかし、本研究対象国のラオスにおいてはその機会がモータリゼーションに伴う道路交通環境の悪化によって奪われてきた可能性がある。途上国では慢性疾患が主要な健康問題となりつつあり、身体活動の機会奪回は今日的課題といえる。本研究では子どもを取り巻く近隣環境が身体活動にどのような影響を及ぼしているかを検証した。 方法:ビエンチャン市内中心部の中学校に在籍する生徒を対象に質問紙調査、身体計測、加速度計を用いた身体活動量の測定を行った。質問紙は生徒の基本属性、近隣環境、身体活動、食習慣に関する内容で、当該分野の国際プロジェクト(International Physical Activity and the Environment NetworkならびにGlobal School-Based Student Health Survey)に準拠した。 結果:対象者431人のうち、20%が過体重か肥満、91%が身体不活動(中等度以上の身体活動を1日60分以上行う日が週5日未満)の状態にあった。過体重・肥満の生徒ほど減量の意思があったが、より不活動の状態にあった。活動的な生徒は不活動の生徒と比べ、近隣環境の景観がよいと認識していたが、その他の近隣環境の特徴に対する認識に違いはなかった。バイク・自動車で通学している生徒は、徒歩・自転車通学している生徒と比べ、自宅から学校までの距離や交通量の多さが徒歩・自転車通学の妨げになると答えていた。加速度計を正しく装着した生徒48人のうち、推奨身体活動量(中等度以上の身体活動を1日60分以上行う)を満たしていた生徒はわずか1名であった。 考察:市内中心部の中学生においては身体活動量が極めて低く、その一方で過体重・肥満者が多いことから、近隣環境の如何を問わず、身体活動量を上げる取り組みが喫緊の課題といえる。
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