周産期から乳児期初期における脳の機能発達を明らかにするため、近赤外分光法(fNIRS)を用いた計測データより、脳の血流における酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)と脱酸素化ヘモグロビン(deoxy-Hb)の位相差を表す指標(hPod)を算出した。満期産児および早産児を対象に、出生から生後6ヶ月の時期においてhPodを検討したところ、同位相から逆位相への発達的変化が認められたが、出生から数ヶ月経過した時点においては、早産の児の中でもより早く生まれた群(early preterm群)で、逆位相への変化が緩やかであることが示された。hPodは発達初期の脳の機能発達を示す有用な指標と考えられる。
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