本研究の目的は,幼児の母親が日常生活のさまざまな場面において,自身の子どもに対する愛情をどのように表出しているかが,子どもの集団保育場面における感情の安定性にどのように影響を及ぼす可能性があるかを明らかにすることであった。 食を通して積極的に愛情を伝えていると回答した母親の子どもは,食事場面において逸脱行動(席を離れる,大声で話をする,食事中の姿勢が悪いなど)が少ない傾向があり,食を通した愛情の伝達は,母親が食事場面を大切にする態度に繋がり,それが子どもの感情の安定化に寄与することで子どもの行動を安定化させる可能性があることが明らかとなった。
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