研究課題/領域番号 |
26350936
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
高橋 聡美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, その他, 教授 (00438095)
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研究分担者 |
佐藤 利憲 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (10583031)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 子どものグリーフ / 悲嘆 / グリーフサポート / グリーフプログラム |
研究実績の概要 |
大切な人を亡くした子どものグリーフサポートの場を北海道・岩手・宮城・福島・埼玉・東京・千葉・大阪・福岡で継続すると同時に、山口・富山でのプログラムをスタートさせた。また、宮崎でのプログラムのスタートのための啓発講演およびボランティア養成を行った。 啓発講演によりコミュニティのグリーフに関する理解は深まり、他の地域からもグリーフサポートの場を作りたいとオファーが来るなど、各地域で丁寧な活動をし紹介していくことで結果として日本全体的にグリーフサポートの必要性を浸透させていけた。ボランティア養成講座は2日間で10時間の講座で構成し、子どもの自尊感情を醸成する関わり方、子どものグリーフの物語を子どもが主導権を持って語れるようなファシリテーションの仕方を伝えた。結果、プログラムに通う子どもたちの多くがプログラムにリピーターとして利用するようになり、子どもたちにとってグリーフサポートプログラムの場が安心で安全な場であることが伺えた。 一方で、プログラムがスタートしても、子どものリクルートが困難な地域も多く、どのように子どもに情報を届け、支援に結び付けるか?ということは今後の課題である。そのためには学校の連携は不可欠で、教員への啓発を重点的に行う必要が示唆された。 保護者のプログラムは場所の確保が困難であったり、保護者のプログラムのためのスタッフの養成が課題となった。保護者の中には子どものグリーフの反応に戸惑いをもったり、不登校など二次的な問題を抱えるなど、心理社会的な困難を多く抱えていた。保護者にはわかちあいだけではなく、ソーシャルサポートも必要で、実際にその問題を解決できるような相談先につなげることが重要であった。
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