19世紀末から戦間期ヨーロッパの子どもの権利思想・制度に関する歴史的な研究を行った。本研究ではモスクワ・ワルシャワ・ジュネーブの国立図書館や国際連合の図書館にて資料を収集し、主に、1.教育思想家K.N.ヴェンツェリの「子どもの権利宣言」作成過程、並びに、2.その影響を受けつつ子どもの人間性を尊重する立場から子どもの権利思想を探求したJ.コルチャックの権利思想の展開を検討し、3.さらにE.ジェブの国際的なジュネーブ宣言の策定に関わる活動について検討し、それらの歴史的背景(革命と戦争)と当時の子どもの状態とを明らかにしながら、19世紀末以来の子どもの権利史草創期の歴史像の解明を試みた。
|