研究分担者 |
無藤 隆 白梅学園大学, 子ども学部, 教授(移行) (40111562)
大矢 大 京都女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40169074)
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
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研究実績の概要 |
言語内容と話し方(感情表現)が矛盾する短文を聞いたとき,大人はどのように話されたか(パラ言語)で話者の感情を判断するが,幼児期から10歳位までの子どもは,言語内容を優先する傾向にあるということが,海外の調査研究で明らかになっている(Friend,2000,Morton&Trehub,2001)。本年度は,言語内容と話し方の矛盾する短文を作成し,日本の幼児が海外での先行研究と同様の感情判断を行うのかということについて,MortonとTrehub(2001)の先行研究に準じた調査を実施した。 Happy sentences(ママが私におやつをくれました。今日のかけっこで,一等賞でした。上手に絵が描けたね),Sad sentences (大切にしていたおもちゃが壊れてしまいました。お腹が痛くて,遠足に行くことができません。散歩の途中で道に迷ってしまいました),Angry sentences(早くお風呂に入りなさい,何度言ったらわかるの。一人で行っちゃダメって言ったでしょ)の8文を作成し,それぞれ「嬉しい」「悲しい」「怒った」の3種類の感情で発声した刺激音声を,計24種類用意した。調査は,A・B二つの園において,年少児から年長児まで10名ずつ、計60名の幼児から回答を得た。 24課題のうちの16の矛盾文に対し,言語内容で回答=1点,パラ言語で回答=0点を割り当てて点数化し,個々の合計について,0~4点をパラ言語型,5~10点を混合型,11~16点を言語内容型として分類した。Mortonらに代表される海外の先行研究では,幼児期から10歳位までの子どもは言語内容を優先する傾向にあると述べられているが,本調査ではA保育園では,年中児(M=5.20),B幼稚園では年長児(M=6.47)において,パラ言語で判断していることが明らかになった。
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