ヒト頭蓋骨縫合早期癒合症の骨癒合部位に高発現する遺伝子として単離されたNELL1は、種々の動物実験において骨形成を促進することから、新しい骨形成因子として注目を集めているが、NELL1の特異的な受容体および骨形成を促進するシグナル伝達機構の詳細は明らかになっていない。本研究では、NELL1受容体の探索およびシグナル伝達機構の解明に取り組んだ結果、NELL1の機能領域としてN末端側のTSPNドメインにヘパリン結合活性、そしてEGF様ドメインにRobo3結合活性を見出し、NELL1タンパク質を利用した新規骨形成因子の創成への下地となる成果となった。
|