研究課題
マルチモダリティー型分子プローブの簡便合成に役立つ多分子連結法開発に関する研究の最終年度として、平成28年度には、トリアジドプラットフォームに対する機能性部位の順次集積を検討した。すなわち、これまでに開発してきた、かさ高い芳香族アジド基、通常の芳香族アジド基、通常の脂肪族アジド基を、それぞれ区別してトリアゾール形成に利用する反応が、繊細な機能性部位の導入に実際に利用できるかを精査した。その結果、期待通り、「タンパク質タグと結合する部位」、「キレーター部位」、「蛍光性部位」をはじめとする多彩な機能性部位を、トリアジドプラットフォームに対して、3度の連続するトリアゾール形成反応により連結できることを明らかにした。加えて、これらの部品の合成においては、対応するアジド化合物から末端アルキン選択的クリック反応によって対応する環状アルキンを合成できることも明らかにした。このとき、環状アルキン部位のアジドに対する反応性抑制を、銅塩の添加によって行うことができており、機能性部位を有するアジド化合物の変換においても、本手法が適用できることを明らかにした。さらに、本手法によるプローブ開発において、長さや架橋部位の構造を変えても同様の連結効率で機能性部位を集積でき、実際に、二重標識型のプローブ分子を迅速合成できることもわかった。本手法によって開発できた二重標識型プローブ分子とタンパク質の修飾に応用したところ、その二重標識にも成功し、実際に導入した部位が示す機能は損なわれないことがわかった。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 12件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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