多機能性分子として、「分子プローブ」が生命科学研究を進めるために重要なツールとして注目を集めている。しかし、マルチモダリティ型分子プローブなどの多機能性分子の合成は容易ではない。これに対して我々は、確実な分子連結法として汎用されるクリック反応を連続して行うことができれば、多彩な多機能性分子を簡便に合成できると考え、その基盤となる手法の開発に取り組んだ。種々の検討の結果、マルチクリックケミストリーに役立つ、環状アルキン部位のアジドに対する反応性を一時的に保護する手法の開発に成功し、アジドとアルキンとの末端アルキン選択的クリック反応を利用した環状アルキン合成法などを実現できた。
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