転移の抑制剤は副作用の少ない抗がん剤として期待される。私たちの発見したNF-kappa B阻害剤DHMEQは動物実験で多くの疾患モデルを抑制するが、不安定性の問題点がある。今回、より安定で、新規骨格のDHMEQ誘導体SEMBLをデザイン・合成した。SEMBLは卵巣がん細胞の遊走・浸潤をDHMEQよりより強く抑制した。(2017論文発表)。植物の葉から得られる新規フラボノイドdesmalもNF-kappa Bを阻害し、卵巣がん細胞の遊走・浸潤を阻害することを見出した(2016論文発表)。これらの化合物は転移の機構解析や新しい抗がん剤のシードとして有用と考えられる。
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