本研究では、内受容感覚の鋭敏さ、種々の認知機能のパフォーマンス、感情認識能力、これらを支える神経基盤について検証し、内受容感覚と認知機能の関連性を理解することを目指した。加齢に伴う認知機能と感情の変化に焦点を当て、この目的にアプローチした。50代から70代の参加者に対して、内受容感覚の鋭敏さ、表情認識能力、注意機能、記憶機能を測定する課題を実施した。さらに機能的MRIおよび頭部構造MRIを撮像し、神経基盤との関連性も検討した。若年者と同様、内受容感覚と感情との関連性が見いだされたが、ワーキングメモリ機能やエピソード記憶との間に明らかな関連性を見出すことはできなかった。
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